目次
- 1 [第1回]まずはここから覚えよう
- 2 ジャズで演奏される曲のタイプ(ジャンル)
- 3 スコアを買おう
- 4 定番演奏音源を聞いておく
- 5 初心者向けジャズセッション23曲
- 5.1 ブルース3曲
- 5.2 スイング9曲
- 5.2.1 Take The A Train(A列車で行こう)
- 5.2.2 Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)
- 5.2.3 Fly Me To The Moon(フライミー トゥーザムーン)
- 5.2.4 Autumn Leaves(オータム リーブス)(枯葉)
- 5.2.5 Softly as in a Morning Sunrise(朝日のごとくさわやかに)
- 5.2.6 You'd Be So Nice To Come Home To(ユードビーソーナイス トゥーカムホームトゥ)
- 5.2.7 Satin Doll(サテンドール)
- 5.2.8 Moanin’(モーニン)
- 5.2.9 Work song(ワークソング)
- 5.3 ワルツ(3拍子)2曲
- 5.4 ラテン2曲
- 5.5 ボサ2曲
- 5.6 エイト(8or16beat)2曲
- 5.7 バラード2曲
- 5.8 変拍子1曲
[第1回]まずはここから覚えよう
今回はジャズのジャムセッションの定番曲の中から、初心者がまず覚えるべき定番の23曲を厳選してみました。
ドラマー目線ではありますが、どの楽器から見てもおおよそこんな感じではないでしょうか。
ただし「セッション定番曲」にはけっこう「地域性」が表れます。
ジャズの世界は狭いので「その地域ごとに受け継がれている定番曲」があるのです。
ですので、他の地域の定番曲リストを見た時に「え、こんなのやるの?」ということがあります。
その点はご了承ください。
それぞれに動画をリンクさせているのと、定番参考音源(主観も入ってます)も紹介していますので参考になると思います。
よく演奏されるテンポは「スロー・ミディアム・ファスト」の3段階で表記しています。
構成やキーも表記しておきました。
タイプごとにバランスを考えて選曲しましたので、バリエーションに富んでいるかと思います。
ドラマー目線で様々な要素を考慮して選びました。
[ジャズセッション曲シリーズはこちら⬇︎]
第一回 [ジャズセッション曲] まずはここから定番23曲(動画付)⇦当記事
第二回 [ジャズセッション曲] ステップアップの為の46曲(動画付)
第三回 [ジャズセッション曲] 難易度高めの34曲(動画付)
第四回 [ジャズセッション曲] もう一つ追加の56曲(動画付)
第五回 [ジャズセッション曲] 人に差がつく61曲(動画付)
第六回 [ジャズセッション曲]「まだ足りない人」への51曲(動画付)
第七回 [ジャズセッション曲] 一応知っとこうの56曲(動画付)
第七回までで327曲紹介となります。
一気に覚えると大変ですので、一つずつ覚えていきましょう。
区切るとしたら「1〜3回」「4〜5回」「6〜7回」の約100曲ずつがいいでしょう。
ジャズで演奏される曲のタイプ(ジャンル)
下記のように分類しました。
・スイング
・ワルツ(3拍子)
・ラテン
・ボサノバ
・ジャズエイト
・バラード
・変拍子
ラテンやバラードは難しいですが、この辺も演奏できなければセッションでは中々苦労すると思います。(ドラマーが少ないと強引にやらされます。。。)
スイングばかりをいっぱい覚えるよりは、全体的に曲を増やしていく方が良いでしょう。
今回選んだ中には難しいものも入っていますが、「定番」と呼ばれるものには似たようなスイングがたくさんあります。
難易度順に紹介すると、レパートリーが似たような曲ばかり増えてしまいます。
それらの曲は別機会に紹介することにしましたので、バリエーションを多様化させるためにも多少難しいものも入れています。
スコアを買おう
ドラマーといえど、スコア(楽譜)は買っておきましょう。
楽譜を見てメロディを歌えるようになることも大切です。
ど定番の「黒本」(227曲収録)を買っておけば間違いありません。
黒本(ジャズスタンダードバイブル)は1と2がありますので、ジャズをやっていくなら両方買っておきましょう。(まずは1からでも大丈夫です。)
2の方は改訂版が発売されて、旧版の方は少しプレミアが付いて高くなってしまっています。あまり影響はないと思われますが、パットメセニー好きなら改定前の方がいいかもしれません。改訂版には「Misty」が追加されています。
「黒本」は別名「スタ本」とも言われています。セッション現場で「黒本」を知らないと恥ずかしい思いをするかもしれません(汗)
ちなみに一昔前の定番には「青本」(ザプロフェッショナル スタンダードジャズハンドブック)というものもありました。これも現在でも使われています。
定番演奏音源を聞いておく
ジャムセッションでは「決まり」はなくても「定番の演奏パターン」があったりします。
「みんなが参考にしてる音源」を聞いておくことで、軽い打ち合わせで共通意識を持つことができます。
定番演奏を聞いておくことで、
他の人たち:「エンディングは〇〇が演奏してたパターンでやりましょう。」
自分:「え、それ知らない・・・」
とならないように出来ます。
初心者向けジャズセッション23曲
下記が23曲の一覧になります。(テキストクリックで移動できます。)
それぞれのタイプ内の曲はアルファベット順ではなく、「おすすめ覚える順」で並べています。
<ブルース3曲>
・C Jam Blues
・Now's The Time
・Billie's Bounce
<スイング9曲>
・Take The A Train(A列車で行こう)
・Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)
・Fly Me To The Moon
・Autumn Leaves(枯葉)
・Softly as in a Morning Sunrise(朝日のごとくさわやかに)
・You'd Be So Nice To Come Home To
・Satin Doll
・Moanin’
・Work song
<ワルツ(3拍子)2曲>
・Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)
・Alice In Wonderland
<ラテン2曲>
・On Green Dolphin Street
・Night In Tunisia(チュニジアの夜)
<ボサ2曲>
・Girl From Ipanema(イパネマの娘)
・Wave
<エイト(8or16beat)2曲>
・Cantaloupe Island
・Sunny
<バラード2曲>
・Georgia On My Mind(わが心のジョージア)
・Misty
<変拍子1曲>
・Take Five
ブルース3曲
ブルースは12小節でワンコーラスですが、前テーマでは通常2コーラス演奏します。
C Jam Blues(シージャム ブルース)
ワンコーラス:12小節
スタイル:A-A-A
小節構成:4+4+4
テンポ:スロー〜ファスト
キー:C
収録本:黒本1
定番音源:デューク・エリントンの演奏が定番ではありますが、レッド・ガーランドのほうが参考になると思います。
備考:デューク・エリントンによる超シンプルな曲です。
テーマメロディが「ド」と「ソ」しかありません。
テーマがシンプルな分、自由なソロが展開されます。
動画:『Duke Ellington - C Jam Blues (1942)』
デューク・エリントンによる定番演奏です。その他、レッド・ガーランド、オスカー・ピーターソンの演奏も聞いてみるといいでしょう。
Now's The Time(ナウズ ザ タイム)
ワンコーラス:12小節
スタイル:A-A-B
小節構成:4+4+4
テンポ:スロー〜ファスト
キー:F
収録本:黒本1
定番音源:チャーリ・パーカーによる演奏が良いでしょう。
備考:チャーリー・パーカーによるシンプルで軽快な曲。
キメがあるので少し難しく感じるかもしれません。(キメは必ずしも合わせなくても大丈夫です。)
動画:『Charlie Parker - Now's The Time』
チャーリ・パーカーの明るくて軽快な演奏です。その他はマイルス・デイビスやアート・ブレイキーが参考になります。
Billie's Bounce(ビリーズ バウンス)
ワンコーラス:12小節
スタイル:A-B-C
小節構成:4+4+4
テンポ:スロー〜ミディアム
キー:F
収録本:黒本1
定番音源:チャーリー・パーカーの演奏が定番です。
備考:こちらもチャーリー・パーカーによる曲。
先ほどよりは少し複雑な感じですが、表と裏の音をしっかり意識することが大事です。
動画:『Billie's Bounce / Charlie Parker The Savoy Recordings』
チャーリ・パーカーの演奏です。他にはレッド・ガーランドwithジョン・コルトレーンの演奏も聞いてみましょう。
スイング9曲
Take The A Train(A列車で行こう)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:C, Eb, F
収録本:黒本1
定番音源:意外に良い音源がないので、下記で紹介する教則本『はじめてのジャズドラム』の音源が参考になります。
備考:ジャズのど定番ナンバーで、軽快で踊りたくなるスイングジャズです。
デューク・エリントンによる演奏が有名ですが、セッション時に良くやるパターンは微妙にバージョンが違います。
独特のイントロからスタートして、テーマのベースは4ビートです。
ドラムは4ビートでもいいですし、Aを2フィール、Bを4ビートで演奏しても大丈夫です。
また、この曲は「セカンドリフ」と言われる定番のメロディを間奏時(ドラムソロ時)に弾くことがあります。
このセカンドリフが始まった時は「メロディ4小節→ドラム4小節→メロディ4小節→ドラム4小節→ドラム8小節→メロディ4小節→ドラム4小節→テーマ」という流れになることがこの曲では通常です。
(※他にもお決まりのセカンドリフがある曲がたまにあるので注意しましょう。)
動画:『Joe Morello & The Buddy Rich Big Band: Take The A Train』
意外に定番のスタイルの動画がないのですが、ジョー・モレロによる演奏が参考になります。4:44〜からセカンドリフによる掛け合いが始まります。
Take The A Trainの解説はこちらの本がとても参考になります⬇︎
(初心者ジャズドラマー必携の本です!)
Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-B-A-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ミディアム
キー:F, Ab, Bb
収録本:黒本1
定番音源:『Days Of Wine & Roses / Oscar Peterson Trio』
備考:通称「酒バラ」。ややスロー気味にすることも多い定番曲。
ブラシを使って演奏することが多い曲です。
テーマは通常2フィール。
動画:『Days Of Wine & Roses / Oscar Peterson Trio』
オスカー・ピーターソンによる軽快な演奏。その他ビル・エバンスの演奏もおすすめ。
Fly Me To The Moon(フライミー トゥーザムーン)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-B-A-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ファスト
キー:F, C
収録本:黒本1
定番音源:『Frank Sinatra / Fly Me To The Moon』
備考:ボーカルの定番曲でもあるが、ハイテンポでもスローテンポでもボサでもやれる万能な曲。
アニメ「エヴァンゲリオン」のエンディング曲に使われたことでジャズを知らない人にも馴染みがあります。
2フィールか4ビートかは特に決まりはありませんが4ビートのことが多いかも。
動画:『Fly Me To The Moon -- Beegie Adair Trio』
少し速めのテンポでの演奏。
『Fly Me to the Moon - Bossa Style』
ボサノバでボーカルあり。
Autumn Leaves(オータム リーブス)(枯葉)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ファスト
キー:Gm, Bbm, Bm, Cm, Dm
収録本:黒本1
定番音源:『Bill Evans Trio - Autumn Leaves』、『Cannonball Adderley - Autumn Leaves』(キャノンボール・アダレイの方はアルバム購入しかありませんが、ジャズの超名盤ですのでいずれは購入すべきアルバムです。)
備考:自由度が高く、初心者から上級者まで演奏する名曲。秋の哀愁ただよう雰囲気が良く似合います。
Aは2フィール、Bは4ビートが通常。
ビル・エヴァンスのものとキャノンボール・アダレイの演奏が有名。
動画:『Bill Evans Trio - Autumn Leaves』
イントロが印象的なビル・エヴァンスの演奏。ややアップテンポ。
『Cannonball Adderley - Autumn Leaves』
こちらもイントロが印象的。エンディングはベースがこのフレーズを弾いて終わったりします。
Softly as in a Morning Sunrise(朝日のごとくさわやかに)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ベリーファスト
キー:Cm
収録本:黒本1
定番音源:『Sonny Clark Trio』、『Kelly Blue/ Wynton Kelly』
備考:通称「ソフトリー」。邦題は明るい印象だがマイナー調の失恋の曲。
ゆったりと演奏されることが多いが、かなり速いテンポでもやることがあります。
Aは2フィール、Bは4ビートが通常。
動画:『Wynton Kelly / Softly, As In A Mornings Sunrise』
ウィントン・ケリーによる名演。その他ソニー・クラークなど数多くの名演がある。
You'd Be So Nice To Come Home To(ユードビーソーナイス トゥーカムホームトゥ)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-B-A-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ミディアム
キー:Gm, Dm, Cm, Em
収録本:黒本1
定番音源:『Art Pepper Meets the Rhythm Section、The Complete Helen Merrill on Mercury』
備考:通称「ユービーソウ」。曲名が長くうろ覚えの人も多い。
ボーカルの定番曲でもあり、暗すぎない哀愁が良い感じの曲です。
テーマは2フィールが通常。
動画:『Art Pepper-You'd Be So Nice to Come Home To』
アート・ペッパーによる定番となっている演奏。
Satin Doll(サテンドール)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ミディアム
キー:C, F, Eb
収録本:黒本1
定番音源:『Duke Ellington』、『Red Garland』
備考:デューク・エリントンによる軽快な有名曲。ボーカルでも歌われます。
Aは2フィール、Bは4ビート。
お決まりのイントロがあるのと、セカンドリフがある場合もあるので注意が必要。
動画:『Duke Ellington - Satin Doll』
お決まりのイントロ。
『Satin doll-Red Garland』
レッド・ガーランドによる演奏。3:13〜からのセカンドリフは要確認。
Moanin’(モーニン)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:ミディアム
キー:Fm
収録本:黒本1
定番音源:『Art Blakey & the Jazz Messengers』
備考:誰しも聞いたことのある名曲。
ドラムではそれほど難しくはないが、他の楽器の関係上あまりセッションでやらないかもしれないがリクエストの多い曲です。
ドラマーとしては、アート・ブレイキーのナイアガラロールと言われるバズロールをしっかり真似したいところです。
動画:『Art Blakey & the Jazz Messengers - Moanin'』
アート・ブレイキーの名演。この曲のように2,4でスネアを入れることはあまりありません。テーマラスト部分のバズロールは必聴。アウトロのやり方も確認が必要です。
Work song(ワークソング)
ワンコーラス:16小節
スタイル:A-B
小節構成:16+16
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:Fm
収録本:黒本1
定番音源:『Cannonball Adderley』
備考:キメが格好良く盛り上がる曲です。
こういった曲も持っておくと幅が広がります。
テーマを2回繰り返すパターンと1回だけのパターンがあるので、確認してから演奏に入るといいでしょう。
動画:『Cannonball Adderley Quintet "Work Song"』
キャノンボール・アダレイによる演奏。キメをしっかりやることがポイントです。ドラムソロをやる場合はテーマに戻った時のキメに気をつけましょう。
ワルツ(3拍子)2曲
ワルツ(3拍子)の曲も覚えておきましょう。演奏には慣れが必要です。
Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-B-A-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:Bb
収録本:黒本1
定番音源:『Miles Davis』
備考:白雪姫で有名な曲ですが、マイルス・デイビスによってジャズでも定番の曲となりました。
3拍子のドラムは慣れないと難しいですが、頑張りましょう。
動画:『Someday My Prince Will Come/Bill Evans Trio (1960) *Public domain』
ビル・エヴァンスによる名演。その他マイルス・デイビスもおすすめ。
Alice In Wonderland(アリス イン ワンダーランド)
ワンコーラス:64小節
スタイル:A-A-B-A'
小節構成:16+16+16+16
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:C
収録本:黒本1
定番音源:『Bill Evans Trio』
備考:「不思議の国のアリス」で有名な曲。非常に可愛らしく美しいメロディが印象的です。
動画:『Bill Evans Trio- Alice In Wonderland』
ビル・エヴァンス。美しいピアノの旋律とブラシによる演奏。その他オスカー・ピーターソンの演奏も有名。
ラテン2曲
ラテンの曲はドラマーにとって、非常に難易度が高いですが挑戦していきましょう。
On Green Dolphin Street(オン グリーンドルフィン ストリート)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-B-A-C
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー〜ファスト
キー:C, Bb, Eb
収録本:黒本1
定番音源:マイルスが有名ですが、ケニー・ドリュー・トリオの方が分かりやすいと思います。
もしくは、『はじめてのジャズドラム』を参考に。
備考:Aをラテン、BとCをスイングで演奏します。
ソロに入ってもラテンとスイングを交互に叩く場合もありますし、スイングのみにする場合もあります。
ドラムソロ部分も同様です。
事前の打ち合わせ、もしくはその場の判断が重要になります。
エンディングは29,30小節を3回繰り返すのが定番です。
テーマ後やソロ切り替え時にCを12小節するパターンもあります。
動画:『On Green Dolphin Street , Jazz Sax Quartet ,H Hosoya & K Note』
日本人による演奏です。この動画のような感じで演奏することが多いです。
A Night In Tunisia(チュニジアの夜)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:Dm
収録本:黒本1
定番音源:New York Jazz Trioの演奏が比較的分かりやすいです。『教則本:はじめてのジャズドラム』の音源もおすすめです。
備考:約束事の多い曲なので『教則本:はじめてのジャズドラム』で確認することをおすすめしますが、構成としては「イントロ→Aラテン→Aラテン→Bスイング→Aラテン→インタールド→ソロ(スイング)→セカンドリフ→ドラムソロ→後テーマ」というような形です。
インタールードとは、短い間奏のようなものです。この曲では入れることになっています。
また、セカンドリフもありますね。
ソロ部分はスイングで演奏することが多いですが、ラテンを入れても良いです。
動画:『" A Night In Tunisia " (jazz drums)』
この動画は曲の構成がとても分かりやすいです。
ボサ2曲
ボサノバの曲はシンプルですが、しっかり練習しておかないと雰囲気を出すことが出来ません。
Girl From Ipanema(イパネマの娘)
ワンコーラス:40小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+16+8
テンポ:スロー〜ミディアム
キー:F, C, Db, Eb
収録本:黒本1
定番音源:『Oscar Peterson trio』
備考:アントニオ・カルロス・ジョビンによる名曲です。
Aの部分は8小節、Bの部分は16小節あります。
ボーカルでも歌われます。
ドラムは特に留意点はないですが、メロディ楽器にとってはソロの取りにくい難易度の高い楽曲になっています。
動画:『Stan Getz. (1927-1991) : Desafinado & The Girl From Ipanema』
スタン・ゲッツによるスタンダードな演奏。
Wave(ウェイブ)
ワンコーラス:44小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:12+12+8+12
テンポ:スロー〜ファスト
キー:C, D
収録本:黒本1
定番音源:『Antonio Carlos Jobim』
備考:ゆったりとしたボサノバらしい名曲です。題名とおり「波」を意識して演奏すると良いでしょう。
1コーラスの小節構成が「12-12-8-12 」の44小節となっています。
動画:『Stan Getz Performs Wave - Copenhagen 1970s』
スタン・ゲッツによウェイブです。
エイト(8or16beat)2曲
エイトビート及び16ビートの楽曲です。
ロックに慣れている人はこのタイプからの方がやりやすいでしょう。
Cantaloupe Island(カンタロープ アイランド)
ワンコーラス:16小節
スタイル:A-A'-B-A"
小節構成:8+8
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:Fm
収録本:黒本1
定番音源:ハービー・ハンコックによるオリジナル音源は少しテンポが遅いので、こちらの方が参考になります。➡︎『New York Jazz Lounge』
備考:ハービー・ハンコックによるファンキーなナンバー。
テーマでは、イントロから2コーラス(32小節)演奏します。
キメはなるべく揃えて、ソロ中でもキメの部分は意識するといいでしょう。
動画:『Herbie Hancock - Jazz Fusion Cantelope Island』
ハービー・ハンコックら豪華メンバーによる最高にファンキーな演奏です。
Sunny(サニー)
ワンコーラス:16小節
スタイル:A-B
小節構成:8+8
テンポ:ミディアム〜ファスト
キー:Am
収録本:黒本2
定番音源:ボビー・ヘブが原曲になります。実際はかなり様々なアレンジがあります。
備考:軽快でロックテイストの強い曲です。ジャズ以外のセッションでも良くやります。
この曲をやると盛り上がりますので、押さえておきましょう。
テーマでは1回か2回コーラスを繰り返します。簡単なキメがあります。
動画:『Into Jazz-Sunny』
ロックチューンでドライブ感があり格好いい演奏です。ボサでやったりもします。
バラード2曲
バラードというジャンル自体が難しいですが、1つ出来るようになればその後は早いです。
少しずつ慣れていきましょう。
Georgia On My Mind(わが心のジョージア)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A'-B-A'
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー
キー:F, Bb
収録本:黒本1
定番音源:『Ray Charles』、『Junior Mance』
備考:レイ・チャールズによる歌モノの名曲。
誰しも聞いたことがある曲なので、取り掛かりやすいでしょう。
動画:『Oscar Peterson - Georgia on my mind』
オスカー・ピーターソンによる演奏。
Misty(ミスティ)
ワンコーラス:32小節
スタイル:A-A-B-A
小節構成:8+8+8+8
テンポ:スロー
キー:Eb, Bb, Ab, C
収録本:改定後の黒本2
定番音源:エラ・フィッツジェラルドなど歌ものが有名ですが、こちらが参考になります➡︎『ニューヨークジャズトリオ』
備考:非常に美しい曲です。ブラシやハイハットによる表現は難しいですが頑張りましょう。ブレイクすることがある箇所もありますので注意が必要です。
動画:『Misty - Ella Fitzgerald Jazz Collection』
エラ・フィッツジェラルドのボーカル。ボーカルでもよく演奏されます。
変拍子1曲
Take Five(テイクファイブ)
ワンコーラス:24小節
スタイル:A-B-A
小節構成:8+8+8
テンポ:ミディアム
キー:Ebm
収録本:黒本1
定番音源:『Dave Brubeck』
備考:最も有名なジャズの曲の1つ。5拍子ですので難しいですが、ぜひやりたい曲です。
5を「3+2」と捉えましょう。
ドラムソロを取らなければ、そう難しくはないかもしれません。
動画:『Dave Brubeck - Take Five』
デイブ・ブルーベック・カルテットによる演奏。ジョー・モレロによるドラムソロは完コピしたい完成度です。
以上、初心者向けジャズセッション曲23曲でした。
[ジャズセッション曲シリーズはこちら⬇︎]
第一回 [ジャズセッション曲] まずはここから定番23曲(動画付)⇦当記事
第二回 [ジャズセッション曲] ステップアップの為の46曲(動画付)
第三回 [ジャズセッション曲] 難易度高めの34曲(動画付)
第四回 [ジャズセッション曲] もう一つ追加の56曲(動画付)
第五回 [ジャズセッション曲] 人に差がつく61曲(動画付)
第六回 [ジャズセッション曲]「まだ足りない人」への51曲(動画付)
第七回 [ジャズセッション曲] 一応知っとこうの56曲(動画付)