世界一の要塞ドラムセットを操る奇才ドラマー
テリー・ボジオ(Terry Bozzio)は世界一と言われる要塞のような多点ドラムセットを操るドラマーです。
あまりに複雑なセットの為、ドラマー界の異色の存在となっています。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第17位。
テリー・ボジオのプロフィール
1950年12月27日生まれ
米国カルフォルニア州サンフランシスコ出身
ジャンル:プログレッシブ・ロック、ハードロック、フュージョン、ジャズ、
テリー・ボジオのキャリアで代表的なものというと、「フランク・ザッパ・バンド」での活動でしょう。
「フランク・ザッパ・バンド」でテリー・ボジオは3年間で19枚ものアルバム制作に参加し、「ブラック・ページ」に代表される複雑でテクニカルな曲を数多く叩いています。
また歌唱力もあり、ドラムヴォーカルを務める曲も多くあります。
あまりにも複雑な曲で、アドリブ部分も多いのかと思いがちですが、楽譜がキチンとあるそうです。
フレーズを記憶するだけでも、とてつもない難易度です。
フランク・ザッパ門下生を卒業した後は「U.K.」や「ミッシング・パーソンズ」などで活躍。
その他にもジェフ・ベック(ギター)、トニー・レヴィン(ベース)など数多くのミュージシャンとセッションを行っています。
日本での演奏も多く、2008年には日本人女性の方と結婚。60歳を超えても精力的に活動しています。
要塞セットで有名ですが、そのセットを組む公認ドラムテックは世界で2人しかおらず、内一人は日本人の枝川”Michi”光孝氏。1つの芸術作品とも呼べるセットを2時間以内で組み上げます。
テリー・ボジオのプレイスタイル
なんと言っても要塞セットが一番の特徴です。これほどのセットを操れるドラマーは他にはいません。
そういった意味では非常な特異な存在と言えます。
時期によって数は違いますが、タムが20〜30個、バスドラム5個前後、シンバル系30個セットほど、フットペダル20個ほど、その他パーカッション多数と信じられない数です。
これはテリー・ボジオが何よりも音色とメロディーにこだわっているからだと思います。
テリー・ボジオはこれらのセットをただ闇雲に叩いているのではなく、必要に応じて叩き分けているのです。
ドラムセットで明確にメロディーを奏でる為に、これほどのセットが必要となるようです。
ゆえにテリー・ボジオの演奏はとても音が綺麗です。手数は実はそれほどまでには多くありません。
必要な音を綺麗に出すことに集中しているように感じます。
下記で動画を紹介していますが、ぜひヘッドホンで聞いてみてください。その音の美しさが分かるはずです。
まさに奇才とも呼べるテリー・ボジオはドラム界でも唯一無二の存在と言えるでしょう。
テリー・ボジオの動画
ギターセンターでのドラムソロ。これぞテリー・ボジオというような演奏。
ザッパの息子によるザッパバンドでのブラックペイジ。どれだけ複雑な楽譜なんだろう・・・。
アコースティックなバンド編成での演奏。ドラムの音色が美しい。
ソロパフォーマンス。まるで1つの映画を見てるような物語性を感じる。
全てシンバルによって組まれたセットでの演奏。打楽器というものを完全に理解している素晴らしい演奏。
マウスをクリックしたままドラッグすれば、セットを自由にみれる動画。驚異のセット。
テリー・ボジオ本人によるフットペダル解説動画。あまりにも数が多くて笑いが出てきます(笑)。
ドラムセットの組み立ての様子。まるで芸術作品のよう。
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