Roland(ローランド)の電子ドラム
ローランドのV-Drumsシリーズは現在、最大シェアを占める電子ドラムです。
ラインナップ、性能、拡張性等どれを取っても高い質を誇ります。
価格がやや高いのがネックですが、選んで後悔のないメーカーです。
2017年1月時点でのラインナップは音源モジュールが6種類と、それぞれのパッドバリエーション違いを含め14種類がメーカーからの基本ラインナップになります。(その他楽器店オリジナルモデルなども市場にはあります。)
・TD-50KV
・TD-50K
・TD-30KV
・TD-30K
・TD-25KV
・TD-25K
・TD-11KV
・TD-11K
・TD-11KQ-PS
・TD-4KP-S
・TD-1KPX
・TD-1KV
・TD-1K
音源モジュール
まず音源モジュールの種類を見てみましょう。どのモデルを選ぶかは、まず音源モジュールから選択していくといいでしょう。
・TD-50
・TD-30
・TD-25
・TD-11
・TD-4
・TD-1
上の方から高機能で値段も高くなっています。
違いを見ていきます。
TD-50
V-Drums最高の音源モジュール。最高の音質、レスポンス。多彩な音色、エフェクターを揃えレコーディングやライブでも使用できるプロ仕様のモジュールです。
今までにないほど生ドラムに近い表現が可能で、叩く楽しさを追求できるモデルでしょう。
しかし、プロ(プロ志望)でライブやレコーディングなどで使うわけじゃないのであれば、ここまでの物は必要ないかもしれません。もちろん予算があれば欲しいところですが。
TD-30
TD-30もより生ドラムに近い表現が可能となるテクノロジーを採用しています。
TD-50と比べなければ最高と思わせるほどの高音質を実現。こちらもプロ仕様の内容となっています。
プロ仕様のものが欲しくてTD-50を買うほど予算がなければ候補になってくるでしょう。
TD-25
TD-30直系のサウンドエンジン搭載で高音質、高感度を実現。音源数などは上位モデルより、それなりに少なくなるが、シンプルで高品質な電子ドラムを求めるユーザーには丁度いいモデルです。アマチュアユーザーにとっては最高峰レベルといえるモデルです。
TD-11
練習用最高峰モデル。より自然に近い振る舞いをするテクノロジーを使い、生ドラムに近い音を実現しています。
シンプルですがドラムキット数は50もあり、ドラム練習のため機能もふんだん。贅沢な練習用音源モジュール。予算があるならこのあたりを選びたいところです。
TD-4
折りたたみ式電子ドラムTD-4KP専用音源モジュール。他の音源に比べると見劣りするが、叩いいていて音が悪いということは特に感じない。ドラム練習の最低限の機能は揃っています。
TD-1
コンパクト電子ドラムシリーズ専用音源モジュール。音が悪いということもなく、ドラム練習機能もしっかり付いている。上位機種と比べると酷だが、満足できないレベルではない。が、あくまで練習用ではある。
ローランド音源モジュール比較表
音源モジュールの機能比較表を作ってみました。参考にしてみてください。
V-Drumsシリーズ
それではローランドのV-Drumsシリーズのラインナップを見ていきましょう。
TD-50系
まずTD-50系は3種類(実質2種類)あります。高いものから
・TD-50KV with KD-A22
・TD-50KV
・TD-50K
とあります。
「KD-A22」とは22インチのアコースティック・バスドラムに取り付けられるトリガーです。別途22インチのアコースティック・バスドラムが必要になります。完全にライブ・レコーディング用ですね。
基本的には「TD-50KV」と「TD-50K」の2種類となります。この2つはタム類とシンバル類が違うものになっています。
※TD-50系は基本セットに骨組みのスタンドが入っていませんので注意してください。
TD-50KV
TD-50シリーズ紹介映像
V-Drums最高峰の電子ドラムキット。
スネアには何と14インチの「PD-140DS」(数字の部分は基本インチサイズを表します。他のパッド類も同様です)。アコースティック・スネアと同じサイズに仕上げられたこのパッドは見た目からして電子ドラムの域を超えています。
リムショットはもちろん、生のスネアにかなり近い感覚で演奏することができます。
PD-140DS紹介映像
ライドシンバルには18インチの「CY-18DR」。
ダイナミクス表現力、ベルやエッジを叩いた時の再現性、ミュート感度等どれをとっても過去最高のライドとなっています。
CY-18DR紹介映像
ハイハットは開閉型の「VH-13」。電子ドラムの鬼門であるハイハットですが、かなり生に近い感触になってはきています。
実際に叩いた感触としては、ジャズ以外は問題なく扱えそうな印象でした。
VH-13紹介映像
タムは1タム2フロアタム構成。タムは「PD-108-BC」、フロアタムは「PD-128-BC」。高感度のセンサーと十分なサイズで高いクオリティーの演奏環境を実現します。
クラッシュシンバルは「CY-14C」。ボウとエッジの2トリガー。
ライドクラッシュには「CY-15R」。ボウ、エッジ、ベル(カップ)の3トリガーになっています。
ミュートはもちろん可能です。
バスドラムは基本的には別売りなので、各販売店のキット内容を確認してください。
推奨されているバスドラムは「KD-140-BC」です。
メッシュ性のバスドラムはやや軽いリバウンドの印象がありますが、消音性に優れます。
※基本セットには、ドラムスタンド(骨組み)、バスドラム、キックペダル、スネアスタンド、ハイハットスタンド、スローンが含まれませんので、販売店のキット内容を確認してください。
KD-A22とは
TD-50KVモデルで選択できるバスドラムユニット「KD-A22」とは22インチのアコースティック・バスドラムを電子ドラムとして仕様できるコンバーターになります。
実際のバスドラムを仕様することで、より生に近い音を再現することができます。さらに打面部分に取り付けるヘッドのおかげで消音性にも優れたものとなっています。
アコースティック・バスドラム自体は別に用意する必要があるので注意してください。
>Roland公式ページ TD-50KV with KD-A22
TD-50K
TD-50K紹介映像
TD-50KVを少しコンパクトにしたモデル。
スネアとライドシンバルにはTD-50KVと同じ「PD-140DS」と「CY-18DR」を採用。
ハイハットはトップ/ボトム一体型の「VH-11」。開閉しないタイプですので、こだわりがある方は注意が必要です。
VH-11紹介映像
タムは1タム2フロア構成で、3つとも「PDX-100」が採用されています。小型のパッドですが、性能としては上位機種のものに近いものです。
クラッシュシンバルは「CY-12C」。ボウとエッジの2トリガー。
ライドクラッシュには「CY-13R」。ボウ、エッジ、ベルの3トリガー。
ミュート可能でこちらも上位機種よりコンパクトなモデルが採用されています。
バスドラムは別売りですが、「KD-120BK」が推奨されています。
こちらもワンサイズ小さいものとなっています。
各キックパッドの騒音比較映像
その他のキットはTD-50KV同様別売りとなっています。
TD-30系
TD-30系には2つのラインナップがあります。
・TD-30KV
・TD-30K
TD-30KV
TD-30KV紹介映像
ライブ・レコーディングでいかんなく力を発揮する完全プロ仕様のモデル。
TD-50KVと比べると少し劣るが、それでも十分すぎるハイスペックマシーン。
スネアは「PD-128S-BC」。
TD-30音源モジュールに最適化されていて、申し分ない機能を備えています。
ライドシンバルには「CY-15R-MG」。TD-30では「CY-18DR」を選べないのは残念だが、それでも高品質ライドシンバルです。
ハイハットはTD-50KVと同じ開閉式の「VH-13-MG」。より生に近いフィーリングは嬉しいところです。
MGというのはカラーのことでメタリックグレーとなっています。TD-30KVはシンバル系はメタリックグレーでスタイリッシュに統一されています。
タムは2タム2フロア構成。
タムには「PD-108-BC」。フロアには「PD-128-BC」とTD-50KVと同様の物が採用されており豪華な構成です。
クラッシュシンバルには「CY-14C-MG」が2枚採用。これもTD-50KVと同様ですが、ボウとエッジの2トリガーで、一枚がライドクラッシュでないのが少し残念。
バスドラムは付属しており、大口径の「KD-140-BC」。安定したペダリングが可能となっています。
ドラムスタンドも付属しており、別売品はキックペダル、スネアスタンド、ハイハットスタンド、椅子となっています。
TD-30K
TD-30K紹介映像
TD-30KはTD-30KVをコンパクトにしたモデルです。
スネアには「PD-125BK」。スネアスタンドを使わないタイプですので、個人的にはスネア感が少し薄れてしまいます。
ライドシンバルはTD-30KV同様の「CY-15R」。TD-30Kはシンバル系のカラーはメタリックグレーではありません。
ハイハットはトップ/ボトム一体型の「VH-11」。開閉しないタイプでTD-50Kと同じですね。
タムは2タム1フロア構成。3枚ともコンパクトな「PDX-100」でTD-50Kと同じです。
クラッシュシンバルは「CY-12C」。ボウとエッジの2トリガー。
ライドクラッシュには「CY-13R」。ボウ、エッジ、ベルの3トリガー。
こちらもTD-50Kと同じです。TD-30KVと違い、一枚はライドクラッシュなのは嬉しいですね。
バスドラムは少し小径の「KD-120BK」。
その他はTD-30KVと同様ですが、スネアスタンドは必要ありません。
TD25系
TD25系も2モデルです。
・TD-25KV
・TD-25K
TD-25KV
TD-25KV紹介動画
プロクオリティの音を自宅でもというコンセプトのアマチュアユーザーの最高峰モデルです。
シンプルでコンパクトな構成は自宅での練習を贅沢なものとしてくれます。
スネアには「PDX-100」とコンパクトな構成。
ライドシンバルには上位機種のライドクラッシュに採用されている、ボウ、エッジ、ベルの3トリガーの「CY-13R」。
ハイハットはトップ/ボトム一体型の「VH-11」。こちらも上位機種でも採用されてるものです。
タムは2タム1フロア構成。
タムにはコンパクトな「PD-85」。フロアにはスネアと同じ「PDX-100」が採用されています。
クラッシュシンバルには2トリガーの「CY-12C」が2枚。
バスドラムは「KD-9」。コンパクトながらツインペダルにも対応しています。
しかし、打面が布製のため消音性は低め。集合住宅では防音・防振対策が必須となるでしょう。
ドラムスタンドもキットに含まれています。
別売り品はキックペダル、ハイハットスタンド、椅子となっています。
TD-25K
TD-25KはTD-25KVをさらにコンパクトにしたモデルで、クラッシュシンバルが1枚減っています。
TD-25KVからの変更点のみ挙げていきます。
2タム1フロア構成ですが、タムは「PDX-6」。フロアは「PDX-8」とさらに小さくなっています。
クラッシュシンバルが1枚になっています。
TD-25KVからの変更点は以上です。
TD-11系
TD-11系には3モデルあります。
・TD-11KV
・TD-11K
・TD-11KQ-PS
TD-11系は自宅用としては機能や価格などで最もバランスの取れたモデルと言えるでしょう。
「TD-11KV」はキック以外オールメッシュ。「TD-11K」はスネアのみメッシュ。
「TD-11KQ-PS」はスネア、タムはオールメッシュでキックがパッド無しという消音に特化したモデルです。
TD-11KV
TD-11KV紹介映像
自宅練習用としては申し分ない音と機能を備えたモデルで、メッシュパッド採用により上位モデルと遜色ないフィーリングと消音性を誇ります。
スネアとフロアタムには「PDX-8」。タム2枚には「PDX-6」とコンパクトなメッシュパッドが採用。
シンバルは1クラッシュ1ライド。
クラッシュシンバルは「CY-12C」でボウとエッジの2トリガー。
ライドには「CY-13R」でボウ、エッジ、ベルの3トリガーを採用。
キックパッドには布製打面の「KD-9」。
ハイハットが今までのモデルと変わって、ハイハットスタンドを使用しないタイプになります。
ハイハットパッドにはボウ部が12インチサイズの「CY-5」を採用。ボウとエッジの2トリガーでシンバルとしても使えます。
ハイハットコントローラーには「FD-8」というペダル。さすがに本物のハイハットスタンドのようなフィーリングとはいきませんが、必要最低限の機能は果たしてくれます。
ドラムスタンドは付属しております。別売り品はキックペダルと椅子になっています。
TD-11K
TD-11K紹介映像
TD-11KはTD-11KVからタム類とシンバルが変更になっています。
2タム1フロアがゴムパッドの「PD-8A」になっています。このパッドはリムショットには対応していません。
シンバルはクラッシュ、ライド共に12インチの「CY-8」となっています。ボウ、エッジの2トリガーです。ミュート機能はあります。
TD-11KQ-PS
キックパッドありとの践み比べ映像。
TD-11KQ-PSは消音性を重要視したモデルです。集合住宅でも防振対策を行うことで、使うことができるでしょう。全モデルの中で最も優れた消音性を誇ります。
このモデルはTD-11KVとキック・トリガーペダルとハイハット・コントローラーが違うだけです。
キック・トリガーペダルは「KT-9」で、従来のパッドに比べて同室の打撃音を85%、階下への打撃音を63%削減したものだそうです。
たしかにこれなら騒音の心配はなさそうです。しかし、ビーターを使わないため、フィーリングとしては本物とはそれなりに違うものとなっています。特に2つ打ちを行うには厳しいモデルだと言えます。
フレーズを覚える為のモデルを割り切ったほうがいいかもしれません。
また、ハイハット・コントローラーも静粛性を重視した「FD-9」が採用されています。
Vドラム・ポータブル TD-4KP-S
TD-4KP-S紹介映像
折りたたんで運ぶことが出来ることを可能にした、新コンセプトの電子ドラムセットです。
使わない時は収納したかったり、持ち運ぶ必要がある人向けです。
選ぶ人が限定されるモデルと言えるでしょう。
キックペダル、椅子は別売りとなっています。
TD-1系
TD-1系には3モデルあります。
・TD-1KPX
・TD-1KV
・TD-1K
TD-1KPXは折りたたみ可能なタイプになっています。
TD-1KPX
TD-1KPX紹介映像
TD-1KPXはコンパクトで折りたためるコンセプトのTD-1バージョンモデルとなっています。
TD-4KP-Sより演奏性能がアップしたモデルで、メッシュパッド採用ですので、折りたたみと言えどあなどれない仕上がりになっています。ちょっとしたライブなんかにはいいかもしれません。
キックペダル、椅子は別売りです。
TD-1KV
TD-1KV紹介映像
Vドラムシリーズで最も安価なタイプのTD-1KVとTD-1K。
シンプル、コンパクトで最低限な機能といった感じだが、おもちゃというほど安っぽくはない。
一応満足感は得られるモデルといった印象。
しかし、あくまで練習用という枠は超えられないので割り切って使う必要はある。
パッドなどは専用モデルとなる。足もとはビーターのない静粛モデル。
TD-1KVはスネアのみメッシュタイプ。
椅子は別売りです。
TD-1K
TD-1KVとの違いはスネアがゴムパッドになっている点のみ。
V-Drumsシリーズ比較表
比較表を作ってみたので参考にしてみてください。