電子ドラム

電子ドラムの各メーカーモデル完全比較 1/4

自分に必要なおすすめ電子ドラムの選び方

このページの記事は電子ドラム(エレクトリックドラム)各メーカーの各モデルを完全比較して、皆さんの購入の参考にしてもらうための記事です。
プロのドラムインストラクターから見た「失敗しない電子ドラム選び」のポイントをサポートしていきます。(おすすめの電子ドラムの紹介というよりは、全モデルを比較しています。)

※紹介する各モデルにはAmazonと楽天市場のリンクを付けていますが、リンク先の販売者によってキット内容が微妙に違います。椅子が付いてたり付いてなかったりと様々ありますので、購入する場合はそれぞれに気をつけてセット内容を確認するようにしてください。

電子ドラムには様々な機能や特徴があります。その中で「自分には何が必要で何が必要でないか」を判断して、自分にぴったりな物を見つけるのは意外に難しいものです。
一般的におすすめされているモデルでも、それが自分に合うとは限りません。

そこで当ページでは、客観的に機能を比較して、それぞれのニーズに合った電子ドラム選びが出来るよう手助けしていきます。
また、「本当にあなたに電子ドラムは必要か?」というところも考えていきます。
電子ドラムは安い買い物ではありません。
「無駄な買い物だった・・・」とならないように慎重に考えて決断できるよう、当ページを参考にされてみてください。

あなたに電子ドラムは必要か?

では、まず「あなたに電子ドラムは本当に必要か?」を考えていきましょう。
電子ドラムを使う為には、設置場所の条件が必要です。

質問

集合住宅では厳しい

電子ドラムのが近所迷惑になるかどうかを考えた時に重要になるのは、「音」「振動」です。
「音」は電子ドラムを叩いた時に発生する生音のことです。
生音の大きさはパッドの材質により変わってきます。
パッドには現在3種類あり、「ゴムパッド」「メッシュパッド」「シリコンパッド(ヤマハのみ)」の3種。

消音性は「メッシュパッド」→「シリコンパッド」→「ゴムパッド」の順で高くなります。

電子ドラムは生のアコースティックドラムに比べれば遥かに音は小さくなります。
しかし、それは空気を振動させる音が小さいというだけで、実は床から伝わる振動というのはそれなりにあります

この「振動」は厄介なものです。
床や壁から伝わる振動というのは、意外なところまで伝わっていく可能性があります。(例えばお店などでカウンターに座っていると、遠くの人が机をトントンしている振動が伝わってくる時があると思います。)

特にフットペダルから伝わる振動はそれなりに大きいようです。
私も以前マンション住まいの時に電子ドラムを叩いていた時に苦情が来たことがあります。
ドアを閉めていたので、同居人には迷惑をかけていなかったのですが、意外に上や下の人に聞こえていたようです。
フットペダルには踏むだけのタイプのものがあり、振動がほとんど発生しないものもあります。しかし本物のフットペダルと感触がかなり違ってくるという弱点もあります。

ですので、電子ドラムといえども集合住宅では苦情が来る可能性はそれなりにあると思います。
通常より防音がされている建物や、楽器をしている人が多い所では可能かもしれませんが、実際に設置してみて検証しないと分からないというのが正直なところです。

<集合住宅でも電子ドラムを叩きたいあなたにはこちらの記事がオススメ>
>>消音性の高いおすすめ電子ドラムはこの3つだ!

小さな音で叩けば問題ないかもしれませんが、それも何だかなという感じです。せっかく買ったのにですね。
防振マットを敷けば振動の軽減にはなりますが、どれほどの厚みで防振すれば良いかは分かりません。私の知り合いには防振マットをしていても苦情が来た人がいます。

しかし予算があればかなり分厚く敷くことで、効果は出るでしょう。結構高いですが・・・。
DIYで防振をすることも出来ますので、やる気があれば、かなり振動を減らすことは可能です。
また、防音対策をしたとしてもあくまで昼のみの練習と考えてください。集合住宅での夜間練習は厳しいと思います。

メッシュタイプのキックパッドは消音効果はそこそこ高いです。
防振さえ考慮すれば集合住宅でも演奏可能レベルになるかもしれません。
最も消音効果が高いのはフットスイッチ式です。

基本的に電子ドラムは一軒家で同居人の許可が得られる人向けの物となります。

また、部屋の広さも十分考慮してください。
広さを考える時には自分が座った時のことを考えます。電子ドラム自体はそうスペースを取らなくても、いざ練習しようと座ると結構なスペースが必要になります。

ドラム

photo by Colby Cosh

電子ドラムと生ドラムは別物

あなたがドラムをやる目的はなんでしょうか?
バンドで演奏したい?個人で楽しみたい?
もし、あなたがバンドでドラムを演奏したくて、その練習の一つとして電子ドラム購入を考えているなら注意が必要です。
なぜなら・・・

「電子ドラムの練習だけでは生ドラムは上手くならない」

からです。
電子ドラムにはあらかじめ「いい音」が設定してあります。ですので、どんな叩き方をしてもある程度いい音が出ます。
しかし、生ドラムは「いい音」を出すためには「正しい叩き方」をする必要があります。
これはとても難しいことで、簡単に身につくとこではありませんし、実際に生のドラムを叩くことでしか会得できません。
ですので、「電子ドラムでは上手く出来てるのに、バンドで生ドラムを叩くとイマイチ」という現象が起きるのです。

といっても電子ドラムに利点がないわけではありません。
フレーズを覚えたり、体の動きを覚えたりする点ではとても有効です。また、クリック音や曲に合わせて練習するなどの便利な機能では優れています。
しかし、表現力を身につけるという点では生ドラムを叩くしかありません。
電子ドラムは生ドラムの練習を補完するものと考えておくといいでしょう。

もし、あなたが一人で曲に合わせて叩くので十分であれば、電子ドラムのみで十分です。
また、バンドでも電子ドラムを使うのであれば生ドラムは必要ないでしょう。

電子ドラムのコストを計算してみる

計算

それでは、電子ドラムを買うと得なのか損なのかをお金の面から考えてみましょう。
実際に計算してみることが大切です。
通常、練習スタジオでドラムの個人練習をしますと1時間500円ほどかかります。
2〜3時間練習すると考えて、そのうち半分はフレーズを覚えることなど(電子ドラムでも出来ること)に費やすと考えます。

つまり、電子ドラムを購入するとスタジオ練習1時間分(500円)を減らせると考えてみましょう。

電子ドラムは値段はピンキリですが、安めのタイプで5万円のものを買うとします。
5万円を500円で割ると100。
つまり5万円の電子ドラムを買うと100回スタジオに行った時点で元が取れる計算になります。

週一回練習に行く人だと約2年。週二回だと1年で元が取れますね。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思いますが、金額的にはそれほど損はないかと感じます。
また、スタジオに行く回数は減らせますので、交通費や時間の節約にはなるでしょう。
しかし、30万の電子ドラムだと元を取るのに10年ほどかかってしまいそうです・・・。

コスト的に考えれば、安い電子ドラムを買って、スタジオでも練習するというのが実はベストかもしれません。
もちろん予算があれば良いモデルのものがいいです。
それぞれの生活環境に合わせて計算してみてください。

高い電子ドラムは何が違うか

高級

先ほどの計算では安い電子ドラムを買って練習するのが良いという計算が出ました。
それでは、高い電子ドラムの利点とは何でしょうか?

それは「叩いていて楽しい」ということです。
高い電子ドラムは音がいいですし、叩いた感触も良いです。私も時々高級電子ドラムを叩くことがあるのですが、簡単に良い音が出て非常に気持ち良くなります。
ただ、楽しすぎてスタジオに行くモチベーションが低くなる可能性があるので注意したいところです。

安い電子ドラムですと、「やっぱり生ドラムで叩きたいな」となるのですが、高い電子ドラムは「これで十分だな」と感じてしまいます。練習に満足感が出てしまうので気をつけたいところです。

また、打面がメッシュやシリコンだとゴム製より生ドラムに感触が近くなります。
しかしあくまで「近い」だけで、生ドラムとは別物ですから、打面の感覚は生ドラムを叩いて鍛えるしかありませんので注意してください。
ちなみに生ドラムに近い感触は「シリコンパッド」→「メッシュパッド」→「ゴムパッド」の順になっています。

ハイハットに関しては安物と高価のものでは結構差があります。また、シンバル系の性能も変わってきます。
高価な電子ドラムにはコスト計算では表現できない「楽しさ」「心地よさ」という魅力があることは事実です。

練習スタジオが近くにない人

練習スタジオが自分の行動エリアの近くになくて、中々行けない人は電子ドラムという選択肢は大事になってきます。
理想を言えば生ドラムを叩くことですが、ないものはしょうがないからですね・・・。
また、仕事などが忙しくてスタジオに行く時間が取れない人も電子ドラムはいいかと思います。
生ドラムとは違っても練習パッドなどよりは数段練習効果があります。

練習時間が長い人

とにかく練習したい人。プロを目指していたり、とにかくドラムが好きだという人は電子ドラムを買ったほうがいいかと思います。
スタジオで長時間練習するとさすがにコストが高くなります。
私も1日6時間以上は練習してましたので、お金の都合上、練習の大半は電子ドラムでやって、仕上げを生ドラムでやっていました。

スタジオにまで行って練習はしないけど・・・

わざわざスタジオに行ってまでは練習しないけど、家に電子ドラムがあれば練習するつもりの方。
申し訳ありませんが・・・そんな方は家に電子ドラムがあっても練習しないと思われます。

「行こうと思えばスタジオに行ける」けど実際にはスタジオに行かない人は、「叩こうと思えばいつでも叩ける」電子ドラムが家にあっても実際には叩かずに、ただのインテリアに成り下がる可能性が高いです。
そんな人を沢山知っています。

「スタジオ練習に行っててドラムが好きで、家でも叩きたい!」というほどドラムが好きになってから購入したほうが良いでしょう。
厳しいことを言うようですが、高い買い物がゴミになるのは本当に悲しいことです。
本当に家で練習するか冷静に考えてから購入しましょう。

電子ドラムを買うべき人、買うべきでない人

それでは購入すべきかどうかをタイプ別にまとめてみます。

電子ドラムをおすすめできない人

・防音されてない集合住宅に住んでいる。
・部屋が狭い。
・電子ドラムが家にあれば練習するだろうと思っている。
・スタジオに行きたくないから買うつもり。
・夜しか練習できない。

電子ドラムをおすすめできる人

・一軒家に住んでいる。
・たくさん練習する。
・練習スタジオに中々行けない。
・プロを目指している。
・ステージでも電子ドラムを叩くつもりである。
・一人で曲に合わせて叩くのが楽しい。
・レコーディングで使いたい。

それぞれ色んな生活環境や目標があるでしょうから、冷静になって検討してみてください。
練習時間が取れて一軒家の人におすすめしたいのは「安い電子ドラム+スタジオ練習」です。
電子ドラムはフレーズを覚えるのに割り切って使うと上達も早いと思います。

ドラム


photo by David King

中古電子ドラムはいいのか

中古の電子ドラムもネットオークションなどで購入することができます。
中古の電子ドラムがいいかどうかは、「使ってみないと分からない」としか言う事ができません。
もしかしたら状態が良くて長く使えるかもしれませんし、逆にすぐに壊れてしまう可能性もあります。
電子機器ですのでいつ壊れるかは分かりません。

新品でしたら保証もありますが、中古ですとそうはいきませんし、正直「賭け」になってしまいます。
できれば中古でもローランドやヤマハのような信頼できるメーカーのものがいいでしょうが、そうなると結局は高くなってしまいますから、難しいところです。
個人的には中古電子ドラムはあまりおすすめは出来ません。
自己責任で買うしかないでしょう。

電子ドラム完全比較

それでは各メーカーの各モデルを比較していきましょう。
情報は2017年1月時点でのものになります。

どのポイントを見て選ぶか

では電子ドラムのパーツを見て、どのポイントを比較していくべきかを考えてみましょう。

音源

この音源モジュールの性能によって電子ドラムの値段が変わるといっても過言ではありません。
音質や音数や様々な機能が音源モジュールによって決まります。
音数などは少なくても最低限の基本機能以上は欲しいところです。

パッド

ゴム製や、メッシュ製、シリコン製などがありパッドの性能によって感触や反応が変わります。
またシンバル系もカップ演奏が可能かなど、モデルによってトリガー(反応する場所)の数が変わってきます。
ハイハットはスタンド式かやバスドラムの方式も重要です。
自分が必要とする機能を見極めて判断する必要があります。

ラック

電子ドラムの骨組みのことですが、セッティングの自由度や将来的な拡張性なども考えて選ぶ必要があります。
基本的にはセットになっています。

値段

電子ドラムは安いものだと3万円台。高いものだと70万円ほどします。
それぞれの予算に合ったものを選びましょう。また、今後かかるスタジオ練習代も考慮して選ぶと良いでしょう。

消音性

どれだけ音が小さいかも選ぶ時のポイントです。
防音対策、防振対策はできますが、お金がある程度かかるという事も考えておきましょう。

以上が電子ドラムを選ぶポイントですが、どのモデルにするかは、その中でも
・音源
・パッドの材質
・バスドラムの方式
・ハイハットの方式
・シンバルのトリガーの数

を中心に考えていけば良いでしょう。

必要なもの

電子ドラム購入の際にはヘッドホンドラムスローン(椅子)下に敷くマットが必要となります。
防振の必要がなくても床を保護するためにマットは必要となります。
専用のものもありますが、絨毯やコルクマットのようなものでも十分です。
また、モデルによってはバスドラムが踏む度にズレてしまいますので、対策が必要かもしれません。
これらの備品がセットになっているキットも販売されています。

もう一つ注意点ですが、セットに何が含まれていて何が含まれていないかをしっかり確認してから購入するようにしてください。ドラムはセット点数が多いですのでややこしくなりますが、確認を怠って思ってたものが入ってなかった等ないようにしましょう。

どこで買うべきか

値段サービスアフターケアなどを考慮して選ぶと良いでしょう。
一般的にはネット販売が値段が安いですが、サービスやアフターケアなどは実店舗のほうがいいかと思います。
また、セールなどをやっている可能性もありますから、ネットや店舗など色んなところで調べてみてください。
気になったモデルは楽器屋さんで1度試奏させてもらうといいでしょう。

電子ドラムメーカー

電子ドラムのメーカーは
・Roland(ローランド)
・YAMAHA(ヤマハ)
・MEDELI(メデリ)
・Alesis(アレシス)
・JUG(ジャグ)
・ATV

上記が主なメーカーです。
この中から紹介していきます。

>>次ページ Roland電子ドラム完全比較

        

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