独特の感性を持った個性派ドラマー
カール・パーマー(Carl Palmer)はエマーソン・レイク&パーマーで一世を風靡したドラマーです。
独特の魅力を持ったドラミングは多くの人を虜にしました。
カール・パーマーのプロフィール
1950年3月20日生まれ
英国イングランド・バーミンガム・ハンズワース出身
ジャンル:プログレッシブ・ロック、ロック、
12歳でドラムを始め、ジャズやクラシックの要素を取り込みながらドラムを学んでいった。特にバディ・リッチからの影響を強く受けたようで、空手をやっているのもバディ・リッチからの影響と言われているほど、彼のアイドルだったようです。
プロ活動開始後はいくつかのバンドで活動し、1968年に「クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン」に参加、その後「アトミック・ルースター」でキャリアを積み上げ、1970年、スーパーグループ「エマーソン・レイク&パーマー(通称EL&P)」を結成。
キース・エマーソン(キーボード)、グレッグ・レイク(ボーカル、ベース)という天才2人と結成した「エマーソン・レイク&パーマー」は世界的成功を収め、カール・パーマーは一躍一流のプログレドラマーとしての評価を受けることになりました。
「EL&P」解散後は「エイジア」を結成。こちらでも成功を収めた。その後は「3」や「EL&P」の再結成に参加。また、自身の「カール・パーマー・バンド」を結成するなど精力的に活動をおこなっています。
カール・パーマーのプレイスタイル
かなり高速で手数の多いプレイスタイルだが、よく「ヘタウマ」という風に評される場合が多い。というのもリズムがよれたり、走ったりといった演奏が多く、そういった印象を与えているようです。
確かに「エマーソン・レイク&パーマー」では3人ともリズムキープを無視したようなアグレッシブな演奏をする為、そう感じるのも当然であるが、私はこれは確信犯的な演奏だと思います。
実際、バンドメンバー全員が走り続けるということはありえない(永遠に速くなり続けてしまう)ので、あのように常に走ってるように感じさせるスリリング演奏はむしろ難しいことです。
不安定でハラハラさせられる演奏が「EL&P」の特徴でもありますし、それを「魅力的なレベル」で演奏するのは並大抵のことではないでしょう。
また、プログレドラマーでありながら、計算されたドラムをあまり叩かないのも特徴です。シングルストロークをメインに魂の赴くままに情熱的に叩くドラムソロは感動的なものがあります。
ここでもやはりバディ・リッチの影響を感じさせますが、かなり前のめりでエンターテイメント性に富んだドラムソロは、聴衆の心に強く刻みこまれます。
ソロでも確かにリズムがよれたりすることはありますが、リズムというのも所詮手段でしかありません。そういったものを超越できるカール・パーマーは真のミュージシャンと言えるでしょう。
カール・パーマーの動画
1970年の時のソロ。魂をふり絞るような熱いドラム。
1974年時の演奏。口で鐘を鳴らしています(笑)。とにかくすごい。
ジャズの名曲のアレンジ曲。こういった曲ではしっかりリズムキープしてます。お決まりの上半身裸はもちろんやります。
「エイジア」での演奏。たしかにこういったバンドの時はもう少しタイトなリズムが欲しいですね(笑)。
2009年時の演奏。相変わらずのプレイとユーモアで観衆を沸かせます。
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