ジャズドラマー

バディ・リッチ〜Buddy Rich〜

世界で最も偉大なジャズドラマーの一人

バディ・リッチ(Buddy Rich)は驚異的なテクニックと高速ドラミングで歴史上最も偉大なジャズドラマーの一人と言われています。
バディ・リッチのドラムソロはドラマーの最終到着地点とも言えるほど凄まじいものです。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第15位

バディ・リッチのプロフィール

1917年9月30日〜1987年4月2日(満69歳没)
米国ニューヨーク州ブルックリン出身
ジャンル:ジャズ

バディリッチは圧倒的なスピード、テクニック、パワー、正確さで聴く者を魅了した伝説のジャズドラマーです。
これほど圧倒的に人を惹きつけるドラマーを私は他に知りません。同じぐらいのスピードを持ったドラマーは沢山います。同じぐらいパワーを持ったドラマーも沢山います。

しかし、トータルでこれほどのテクニックを持ち表現力のあるドラマーは後にも先にもバディリッチ一人ではないでしょうか。
そう思わせるほどのインパクトが彼にはあります。私はドラムを始めてしばらくしてバディリッチの動画を見たのですが、早回し映像じゃないかと疑うほど凄まじかったです。
人間にこんな動きが出来るのかと驚きました。また映画「セッション」の主人公の演奏スタイルのモデルにもなっています。

バディリッチのテクニック

彼のテクニックはモーラー奏法グラッドストーン奏法を使い身体操法の極致にあるようなドラミングをします。
正式なレッスンは受けたことがないそうで、楽譜を読むことも嫌いだったそうです。おそらく自己流で憧れのドラマーの動きや音をコピーして、技術を獲得していったと思われます。

バディリッチのシングルストロークはとにかく速く正確でかつ素晴らしい音色を持っています。
技術的にはグラッドストーンやプッシュプルを使っていると思われます。特にレギュラーグリップの左手のテクニックは素晴らしく、バディリッチワンハンドロールと言われる高速連打は目を見張るものがあります。

またフレージングのセンスがとにかく抜群です。テクニックのあるドラマーはフレージングがイマイチになりがちですが、彼のドラミングは聞いてもよし、見てもよしです。
両手の腕を高速に派手に交差させるクロススティッキングや、ドラムイスや本来叩くべきとこでない所を叩いたりする遊び心など、見ていてまったく飽きません。

性格

性格的にはかなり激しかったようです。ミスに厳しく、バンドメンバーを激しく責めたりクビにするのは日常茶飯事だったようです。しかし、マペットショーで人形と共演している映像など見ると、ユーモアのある人でもあったと思われます。

バディは69歳で亡くなってしまいますが、晩年まで同じような叩きまくるスタイルだったようです。
60歳を超えてなお、あのようなドラムミングが出来るというのは本当に信じられません。
熱い炎のような性格でも体がついていかなくなるはずです。

おそらく筋力に頼るのではなく、完璧な身体操作がそれを可能にしたのでしょう。バディリッチのドラミングは全てのドラマーにとって最も遠いようですが、決して人間に不可能ではないという可能性を感じさせてくれるものでもあると思います。

バディリッチの動画


1970年の時のドラムソロ。圧巻のシングルストロークは必見。


再生回数1,000万回以上のドラムソロ動画。お見事の一言です。


1982年の時のビッグバンドとの動画。本番で入りをやり直させる厳しい一面が見られる。


マペットショーに出演した時の演奏。コミカルな一面が見られる。


なぜマッチドグリップを使わないかを説明した動画だが、蜂の羽音のようなシングルストロークが聞ける。途中失敗して汚い言葉を発する場面も。


亡くなる前年、68歳ごろの演奏。7分55秒から始まるソロは年齢を超越している。


オマケ:実はこんなこともやってます(笑)。回転ドラムの元祖!?


>>次のドラマー→『アート・ブレイキー 〜ジャズの伝道師(メッセンジャー)と呼ばれたドラマー〜』

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