超高速重戦車ドラマー
デニス・チェンバース(Milton "Dennis” Chambers)はあらゆるジャンルで活躍するセッションドラマーで、ハイスピードで手数の多いドラミングで知られています。また、重戦車のような重いビートはどんなアーティストと演奏しても、乱れることのない強固なリズムを生み出します。
デニス・チェンバースのプロフィール
1959年5月9日生まれ
米国メリーランド州ボルチモア出身
ジャンル:フュージョン、ラテン、ジャズ、ファンク
デニス・チェンバースはドラムを始めたのが4歳、そして何とその2年後にはナイトクラブで演奏するという驚きの才能の持ち主です。そして18歳の時にパーラメントとファンカデリックのドラマーになり、26歳のころにジョン・スコフィールドのバンドメンバーになります。その他、サンタナ、マイク・スターンなどのドラムを務めるなど驚異のキャリアを歩んでいます。
しかし2014年に肝臓の病気で緊急手術をうけます。何とか復帰したものの、以前の巨漢の陰りもない激やせした姿は多くのファンを心配させました。
ですが2016年ごろから、また元のような体型に戻り以前のようなパワフルなプレイを聞かせてくれています。
デニス・チェンバースのプレイスタイル
パワフル、超絶技巧、ハイスピード、重厚さ、グルーブ、何をとっても超一流です。
弱点というものがなく、何でも出来てしまう才能の塊です。
音がとても大きく鳴っているのが動画を見てもわかります。
ドラムを完全に鳴らしきっています。しかもとんでもないハイスピードになってもそれは変わりません。
シングルストロークなんか速すぎて、中級者ぐらいのドラマーが見ても自身喪失のレベルでしょう。
一見巨漢に見えますが、身長は160cm代前半と小柄です。
その身長であれだけの音が出せるのは才能(持って生まれた体の強さ)の部分も大きいでしょう。
一時期病気で迫力が失われたようですが、また復活したようです。
見た目には楽そうに叩いているのですが、タム回しの速さなども驚異的です。
とんでもないスピードと手数でトリッキーなプレイも入れますので、もうやめてくれと言いたくなるぐらい凄いです。
テクニカルですがグルーブ感もしっかり出ます。キャリアの序盤でPファンクなどとやっていたからか、シンプルなドラムでもバチッと重厚なグルーブがあります。
うねるような感じではないですが、カチッとしていて、それでいて心地よいドラミングです。
もちろん高速ソロでもそのグルーブは失われません。聞くものを圧倒するスケールの大きいドラムは唯一無二と言ってよいでしょう。
デニス・チェンバースの動画
バディ・リッチメモリアルコンサートでの演奏。弾けるようなドラミング。
ジョン・スコフィールドとの演奏。若い頃のフィジカルの高さが分かる高速ソロ。
サンタナとのステージ。溜めに溜めてのソロ演奏の役者ぶりはさすがです。
手術後の激やせ時の演奏。残念ながら音も力強さがありません。演奏しているだけでもすごいです。
2016年ヴィクター・ウッデンとの演奏。体型も完全に復活してかつての輝きを取り戻しています。
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