音楽とは
音楽とはいったい何でしょうか?楽器を弾くとは何でしょうか?今回は忘れがちな演奏の根本的な話です。
最初の喜びを忘れない
あなたにとって大好きな曲というのはどんな曲ですか?その曲を初めて聞いた時どんな気持ちになりましたか?
明るい曲であれば気分が高揚して、テンションが上がったんじゃないでしょうか。
自然と体がリズムに乗って、笑顔になったんじゃないでしょうか。
静かな曲であれば、気分が落ち着いたり、切なさや哀しさを感じることもあるでしょう。
感情が高まれば涙が出ることもありますよね。
そして、大好きな曲を自分でも演奏したいと思って楽器を初めたんじゃないでしょうか?
別の動機で楽器を初めた人も、好きな曲を演奏したいと思う気持ちは共通だと思います。
「自分が感じた感情を表現したい!」と思ったはずです。
しかし楽器を練習するうちに、いつの間にかそんな気持ちは忘れさられてしまいます。
何故なら、多くの音楽教育は「楽器の弾き方」だけを教えるからです。
ノウハウ主義の危険性
楽器の弾き方を学ぶことは、もちろん大切です。
弾き方が分からなければ、自分の表現したいものを楽器を通してあらわすことが出来ません。
しかし、それがいつの間にか「楽器を上手く弾くこと」だけに集中し始めます。
「自分の中にある音楽を楽器を通して表現する」のではなく、「楽器を上手く弾けるようになること」に目的がすり替わってしまうのです。
これは危険なことです。何故かというと、「楽しくない」からです。
結果楽器を上手く弾ければ楽しいでしょうが、その為には長い期間の努力と忍耐が必要になります。
プロを目指すのであれば当然ですが、趣味でやってる人たちには耐え難いことです。
「何の為にやっているか」が分からなくなるのです。
「楽しいと思って初めたのに、辛いことばかり」では続くはずがありません。
楽器の弾き方を習うのは自分の音楽や感情を表現する為です。
それを表現出来れば、極端に言えば楽器を弾く技術は下手でもかまわないのです。下手でも楽しいのです。
逆にどれだけ上手くても、自分の中に表現したい音楽が無ければ、とてもつまらない演奏となってしまいます。
ドラムを始めた当初は、何も分からず適当に叩いても楽しかったのではないでしょうか?
それがいつの間にか「リズムを乱してはいけない」「うるさくなってはいけない」等、制約ばかりが気になってないでしょうか。
窮屈な気持ちで叩いたドラムを聞かされても聴衆は心を動かされませんし、自分も楽しくはありません。
技術は手段
楽器を弾く技術は、音楽を表現する為の「手段」にしか過ぎません。
それがいつの間にか手段と目的が入れ替わってしまうのです。
そうなると楽しくありません。
目的を失うと人間は継続することが出来なくなります。
「もういいや」とか「飽きたな」とか感じるようになってしまいます。
音楽を言語と考えてみると分りやすいかと思います。
まず何か伝えたい気持ちがあって、それを言葉にするはずです。
決められたセリフを話しても、そこには感情のないロボットのようなセリフしかないかと思います。
まず感情がないと、言葉だけでは意味がないのです。
ただ、感情があっても色んな言葉を知らないと、それを表現することはできません。
同じように色んなドラムの表現方法やテクニックを学ぶことで、自分の感情を表現できるようになるのです。
人と演奏(セッション)することは会話することと同じです。
会話する時は相手の話を聞き、同意したり共感したりすると会話が盛り上がっていきます。
セッションの時も同じです。悲しい曲なら、悲しい感情。楽しい曲なら楽しい感情を仲間と共有するのです。
会話でも「ワタシハタノシイデス」なんて言われてもピンと来ないですよね。
「私!すごくたのしーーー!!」なんて言われるとこっちまでエネルギーが伝染して楽しくなってきます。
そんな相乗効果をセッションでも起こせるよう、魂のこもった演奏ができると良いのではないでしょうか。
自分を表現することを恐れないでください。
本当の自分をさらけ出すことは怖いことでもあります。
自分を守りたくなります。しかし、それでは何時までたっても、本当の自分は表現できないかもしれません。
人の目ばかりを気にして、怖いことや恥ずかしいことを避けても、それでは誰のために生きているのか分からなくなるのではないでしょうか。
あなたはあなたのままでいいのです。
あなたが本当にしたいことは何でしょう?
本気で自分の人生を生きることはとても気持ちがいいものです。
それを演奏を通じて出来ると私は考えています。
だから音楽は素晴らしいのです。
まとめ
好きな音楽を聞いた時の感情を失わないようにしてください。
それが貴方が楽器を演奏する目的であり、原動力になります。
もし楽器を弾くのがつまらなくなったら、感情が失われているかもしれません。
そんな時は好きな音楽を聞いたり、好きなミュージシャンのライブに行ってみてください。
また楽器を弾きたいなと思うはずです。
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