どちらのグリップを使うべきか
マッチドグリップというのは左右同じ持ち方のグリップです。
一方レギュラーグリップ(トラディショナルグリップとも言う)というのは左手の甲が下向きになった持ち方です。
ジャズやマーチングでよく見かける持ち方ですね。
ほとんどの皆さんがマッチドグリップでドラムを始めると思います。
しかし、「レギュラーグリップもやってみたいな」とか「かっこいいから出来るといいな」とか思ったこともあるでしょう。
でも、「また一から練習するのは大変だし、必要性あるのかな」とも思うでしょう。
今回は両方のグリップを比べてみて、あなたがレギュラーグリップに挑戦するべきかを考えてみることにしましょう。
マッチドグリップvsレギュラーグリップ5番勝負
1.パワー勝負
これはマッチドグリップが有利です。
レギュラーグリップでもパワーは出せますが、技術的に難しく、マッチドグリップに軍配が上がります。
パワーを必要とするロックなどでは、マッチドグリップが圧倒的に多いですよね。
2.スピード勝負
これはほぼ互角です。
マッチドの方が速いことは速いですが、実際の演奏で影響が出るほどの差はないでしょう。
リバウンドを利用したルーディメンツではむしろレギュラーの方がやりやすいものもあります。
実際に演奏で使うスピード勝負は互角だと思います。
ただ、超高速メタルのブラストビートまでいくとマッチドでないと厳しいでしょう。
3.移動のしやすさ勝負
これはマッチドの方がやりやすいです。
ドラムセット全体を叩くにはマッチドグリップですね。
スネア単体でのスピード勝負ではほぼ互角でも、ドラムセット全体のスピード勝負ではマッチドグリップにかなり分があります。
ですので多点セットのロックなどではマッチドグリップ。
コンパクトセットのジャズではレギュラーグリップが良く使われるのです。
4.体全体のバランス対決
これはレギュラーグリップが有利です。
これは、スネアのみで叩いた時の叩きやすさに現れます。
マッチドグリップよりもレギュラーグリップのほうが楽に体を動かせるのです。
マッチドグリップは若干体が窮屈な感じがしますが、レギュラーグリップは体が解放されている感じがします。
これは人間の体の構造上の問題です。
肩の辺りの開放感が変わってくるので、レギュラーグリップに軍配が上がります。
ゆえにマーチングではレギュラーグリップが使われるという一面もあるかと思います。
ドラムセット内での移動がなければレギュラーグリップは体を楽に使えます。
5.表現力勝負
繊細な表現ではレギュラーグリップに分があると言われますが、私としては互角だと思います。
マッチドグリップでも十分に繊細な表現は可能です。
しかし、心理的な面で、繊細な表現にはレギュラーグリップが向いているのではないかと感じています。
といいますのは、人間の心理は姿勢によっても作られるからです。
どんなポーズを取るかが人間のメンタルに影響を及ぼすのです。
前傾姿勢で肩をいからせると攻撃的な気持ちになります。
逆に猫背にして下を向いて、トボトボ歩くと元気が無くなってきます。
体の姿勢は気持ちに変化をもたらすのです。
レギュラーグリップで持つと、何と言っていいか分かりませんが、ジャズを叩くのにちょうどいい精神状態になります。
ジャズを叩くのにちょうどいい精神状態が何なのかは、はっきりと説明は出来ませんがそんな気持ちになるのです。
皆さんもレギュラーグリップが叩けなくても、モノマネしてみたことはないでしょうか?
その時不思議とジャジーな気分でドラムを叩きませんでしたか?
私はレギュラーグリップにはそういった効果があると思います。
まとめ
やはり、昔から続けられてるようにロックやポップスではマッチドグリップ。
ジャズやマーチングではレギュラーグリップが良いと思います。
ですのでジャズやマーチングをしたい人はレギュラーグリップにチャレンジしてみてください。
レギュラーグリップを始めると、また一から基礎練習のやりなおしです。
大変な作業ですが、最初にドラムを始めた時よりは早く成長出来るはずです。
またレギュラーグリップを会得することで、総合的な身体の使い方の技術が上がりますからマッチドグリップにもいい影響を与えます。
興味があればぜひレギュラーグリップにも挑戦してみてください。
>>次のドラム講座➡︎『ドラムで怪我をしない為に注意したい5つのこと』
>>知らなかったじゃ済まされない!?「目から鱗のドラム講座一覧」はこちら➡︎『ドラム講座一覧』