みなさん、ドラムを「叩く動作」というのは、どういう動きで構成されているか考えたことはあるでしょうか?
「叩く瞬間」だけでなく「叩く前」と「叩いた後」の動作もきちんと意識できているでしょうか?
今回はドラム練習において大事な「動作の意識の仕方」を解説していきます。
全ての動きを意識する
まずテストをしてみましょう。右手で一回スネアを叩いてみてください。
それでは、今叩いた時動作の何に注意したかを考えてみてください。
「ただ何となく叩いた」ではいけませんので、もう一度やって動作の何に注意を払ったか確認してみましょう。
それでは、初心者の人が忘れがちな「何に注意すべきか」を確認してみましょう。
↓
どのくらいのスピードでスティックを動かすのか
↓
叩いた後どの位置までスティックを持っていくのか
簡単に言ってもこれらの点を注意しなければいけないのです。
つまり、
・「叩く為の準備の動作」
・「叩いた後の動作」
まで気をつけないといけないのです。
ゴルフで例えてみましょう。
スネアを叩く瞬間がボールを打つ瞬間とします。
ゴルフの場合、しっかりと振りかぶって、打った後のフォロースルーもとても重要視されています。
↓
打つ
↓
フォロースルー
この3点をしっかり意識することがゴルフでは大切です。
ところがドラム初心者の場合、「振りかぶる動き」と「フォロースルー」は軽視されがちです。
特にフォロースルーを意識出来てない人が多いようです。
「どんな音が出るか」は「どんな動きをしたか」で決まります。
フォームはとても大事なのです。
引きの動きが大事
叩くという行為は打った瞬間で終わりではありません。
打った後の動きまでが大事なのです。
「家に帰るまでが遠足」じゃありませんが「フォロースルーが終わるまでが叩くという行為」になります。
またフォロースルーはそのまま次の動きの予備動作に繋がります。
これをおろそかにしてしまうと、次の動作にスムーズに繋げられません。
連続した動きであるドラム演奏では「フォロースルー=次の動きの準備動作」になっているのです。
「叩こう」という動きは意識しやすいのですが、叩いた後の「引き」の動きまでしっかり意識することが大切です。
「準備」「実行」「フォロースルー」の全てが大事。
ということはつまり、動き全てに意識を向ける必要があるということです。
実はドラムを演奏する時の動き全てに意味があるのです。
空手の型やダンスの振り付けのように、全て意味のある動きをする必要があるのです。
「何となく振りかぶって、何となくの位置でスティックを止めている。」では不十分なのです。
練習ではその「正しい動きの型」を徹底的に体に刷り込ませるようにしてください。
スティーブ・ジョーダンも「僕はドラムはダンシングのようなつもりでしてる」と語っています。
ドラマーはダンサーでもあるのです。
引きの動きが苦手
ある程度叩けるようになったきた人でも、圧倒的に出来てないのが「引きの動き」です。
「引きの動き」とは「重力に逆らった動き」です。
体を動かす時は「重力」を意識する必要があります。
実は、重力の影響はとても大きいものなのです。
重力に対してどのように体を動かすかで、必要な力の大きさが変わってきます。
重力の力を利用できる動作は、実はそれほど力を必要としません。
つまり、「太鼓を叩く動き」というのは楽な動きなのです。
しかし、「叩いた後の引きの動き」というのは、「重力に逆らう動き」です。
この動作は叩く動きより大変なので、より訓練する必要があります。
叩く動きより引く動きの方が訓練が必要なのです。
試しに、左手のスティックの上に右手のスティックをかまえて、左手のスティックの上部で右手のスティックの下部を叩いてみてください。
左手の引きの動きでスティックがぶつかるようにするのです。
この動きで綺麗な音を出すのは意外に難しく、スムーズに出来ないかと思います。
こういった「引きの動き」をしっかりトレーニングすることで、ドラム演奏における動作の質を向上させることが出来るのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?ドラムの体の動きには全て意味があります。
一挙手一投足に理由があります。無駄な動きはありません。
ぜひ自分の体の動きに注視して、その意味を探ってみてください。
必ずあなたの助けになるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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