フュージョン系ドラマー

ヴィニー・カリウタ〜Vinnie Colaiuta〜

ドラマー界のプロフェッサー

ヴィニー・カリウタ(Vincent “Vinnie” Colaiuta)はあらゆるジャンルで活躍するスーパーセッションドラマーです。
非常に高いレベルでテクニカルかつメロディアスなドラムが叩ける数少ないドラマーと言えるでしょう。
その計算されたドラミングは、さながらドラマー界の教授(プロフェッサー)といったところです。

ヴィニー・カリウタのプロフィール

1956年2月5日生まれ
米国ペンシルベニア州ブラウンズビル出身
ジャンル:ジャズ、フュージョン、ポップス、ロック、ブルース、ファンク、

幼い頃からドラムをやっていたヴィニー・カリウタは、バークリー音楽学院で1年間学んだ後、ロサンゼルス移り音楽活動を行っていました。そして22歳の時に難解な楽曲で知られるフランク・ザッパのバンドオーデションに合格します
フランク・ザッパはメンバーに非常に高い演奏技術を要求することで有名で、その猛者揃いのバンドに22歳という若さで、しかもテリー・ポジオの後釜として入ることは驚異的なことでした。
ヴィニー・カリウタはフランク・ザッパからバンド史上最高のドラマーとして認められ、技巧派ドラマーとしての地位を確立します。

その後、フランク・ザッパ門下生から卒業した(?)後は様々なジャンルのアーティストと共演します。
チャカ・カーンからメガデスチック・コリア、クインシー・ジョーンズ、ジェフ・ベックなど、かなり幅広いミュージシャンと仕事を行う売れっ子セッションドラマーとなります。
スティングとのバンドでは、メロウなドラムを聞かせてくれるなど、ただの技巧派でないことも証明し名実ともに一流ドラマーとなります。日本のミュージシャンとも多くの仕事を行っており、共演者には松任谷由美、中島みゆき、SMAPなどとかなり広範囲で活躍しています。

ヴィニー・カリウタのプレイスタイル

技術力は間違いなく世界トップクラス。超絶技巧のドラムです。
また変拍子や奇数連符、ポリリズムなどの難解なドラミングも難なくこなします。フランク・ザッパが持ってきた超難解な楽譜を寿司をつまみ喰いしながら、難なく叩いてチェックしたという逸話は有名です。これには周りにいたミュージシャンもあきれ顔だったようです。

またKARIZMAというバンドに参加した時のヴィニー・カリウタのプレイも必聴です。このKARIZMAというバンドがまたすごくて、デヴィッド・ガーフィールド(キーボード)、マイケル・ランドウ(ギター)、ニール・スチューベンハウス(ベース)という超絶技巧が揃ったグループです。
普段セッションドラマーとして、ある程度バッグに徹しているヴィニー・カリウタが、周りのメンバーと共に思い切り挑戦してる感じがして、壮絶なドラムとなってますね。非常に難解でありカッコイイです。

しかし、彼の凄さはその技術力だけではありません。とてもメロディックなドラムを叩くことも特徴です。メカニカル系のドラマーはどうしてもテクニックに走りがちですが、とても歌心のあるドラムです。
難解なドラムというと「すごいけどよく分からない」なんてことがありますが、ヴィニー・カリウタの演奏は「すごくてかっこいい」んです。この部分が他のドラマーと彼が一線を画すところではないでしょうか。

ジャンルは本当に幅広く何でも叩きます。シンプルなドラムを叩かせても、ものすごくタイトなリズムでバンドを支えます。歌もののバッグをやらせても超一流です。
リズムがタイトすぎて少し硬く聞こえはしますが、それが個性になってると思います。何でも出来るスーパーウルトラドラマー、それがヴィニー・カリウタです。

ヴィニー・カリウタの動画


1989年、33歳の時のジャズ演奏。弾けるような超高速の体の動きが凄すぎます。


KARIZMAでの「I'm tweaked」。各楽器のリズムが複雑に絡み合う超難解な曲。


2013年、57歳の時のハービー・ハンコックとの演奏のソロシーン。超絶複雑で野性味もある。


チャカ・カーンのコンサートのリハーサル映像。貴重な映像である。


ジェフ・ベックとのライブ。どんなジャンルを叩いても格好いいです。


>>次のドラマー→『サイモン・フィリップス 〜全方位マルチなカリスマセッションドラマー〜』

>>全ドラマー一覧はこちら→『ドラマー一覧』

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