「ドラムの神」と呼ばれるドラマー
スティーブ・ガッド(Steve Gadd)は名実ともに世界トップクラスの超一流のドラマーです。演奏ジャンルは多岐に渡り世界中の一流ミュージシャンと共演しています。ガッドの名前からゴッド(神)とも言われています。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第24位。
スティーブ・ガッドのプロフィール
・1945年4月9日生まれ
・米国ニューヨーク州ロチェスター出身
・ジャンル:ジャズ、フュージョン、ブルース、ロック、ポップス
スティーブ・ガッドのドラムのルーツはマーチングバンドにあります。ドラムコーやクラッシックドラム、軍楽隊でドラムを経験することで、非常に正確なスティックワークを身につけています。
スタジオミュージシャンとしても活躍し、数多くのレコーディングに参加しています。
また自らの「ガッドバンド」や「スタッフ」「マンハッタン・ジャズクインテット」などでも活動。エリック・クラプトンのバックで叩いていたことでご存知の方もいるかもしれません。
スティーブ・ガッドのプレイスタイル
ガッドのプレイの特徴といえば「正確無比なリズム」「粒の揃った音」「うねるようなグルーブ」「パラディドルを使った独特のフレージング」でしょうか。
リズムがけっこうはっきりしていて、核となるリズムがしっかり聞こえてきます。
これはガッド自身も意識しているようで、「周りの共演者がリズムをはっきり感じ取れるような演奏をしなくてはいけない。」と語っています。
また、音の粒がおそろしく揃っています。コンプレッサーでもかけているんじゃないかというくらい音が綺麗です。
ですので細かいフレーズを叩いても、全くうるさくありません。音と音の隙間がはっきり聞こえてきます。
恐らくマーチング経験からこの技術を得ているのでしょうが、相当練習したんだと思います。
ガッド本人もドラムを上手く演奏するコツはとにかく練習することだと言っています。
そして強烈にうねるグルーブ。正確な演奏は下手すると機械のようになりがちですが、ガッドの演奏はとても人間味があります。
ちょっと泥臭い感じです。これはブルースあたりから来てるのではないでしょうか。
非常にタメの効いた踊り出したくなるようなドラミングです。フレージングも独特でマーチング由来のルーディメンツを多用します。
聞けば「ああ、ガッドだな」というような独特のガッドフレーズというものがあります。ものすごくカッコイイフレーズなんですが、他の人がマネすると不思議とカッコ悪くなります(笑)
叩き方としては、スティックを長めに持つのが特徴ですね。スティックの重さを最大限活用してるような叩き方です。かなり不思議というか、技術力が必要な叩き方ですね。またフレーズに対して体がゆっくり動いているように見えます。
恐らく必要最低限の動きしかしてないのでゆっくりに見えるのでしょう。まさに「最小のエネルギーで最大の効果を発揮している」演奏です。
無駄が無く、完全に達人の域です。こんな叩き方が出来るのは世界中探してもほとんどいないでしょう。まさにゴッド(神)です。
スティーブ・ガッドの動画
That's why Steve Gadd is the number one drummer in the world.
2008年、63歳の時の演奏。独特のグルーブとフレーズにしびれます。
1995年、50歳の時のソロパフォーマンス。お得意のルーディメンツからのソロ。
1990年、45歳の時。ジャズの難曲「スペイン」をガッド風に見事に演奏。
1998年、1:13~からの演奏では機械かと思うような粒のそろった演奏。
2016年、71歳の時のソロ。柔らかい動きで全く無駄がない。
若いころのフレーズ解説動画。派手ではないが、ものすごいテクニック。
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