古武術には古来から生死をかけて研究されてきた、身体操作の真髄が隠されています。
その古武術の体の動かし方をドラムにも活かしてみましょう。
身体操作は解剖学的な勉強も必要で非常に奥が深いですが、今回はさわりだけでも見てみましょう。
古武術とは何か
日本古来の武道
私が参考としましたのは実戦を想定された武道のことで、最初の武器による一撃で勝負が決まってしまうもの。
つまり「いかに効率よく効果的に体を動かすか」を重視した武道です。
身体操作を追求した古武術には体格やパワーに左右されない、技術による身体的イノベーションの極意が詰まっていると言ってもいいでしょう。
どれくらいすごいのか
まずこちらの動画をご覧ください。
少し長いので時間がない方は6:40~11:00、11:30~最後をご覧ください。
すごいですね。目で追えないほど速いです。
それでいて、自然で楽に動いているように見えます。
この動画の中で大事なポイントは次の3つだと思います。
・体の中をバラバラに使う。
・道具に振り回されない。
古武術の動きをドラムに活かす
体全体を使う
腕を動かす時に腕の筋肉だけでなく、胸や肩甲骨、首も意識してみましょう。
実は胸の筋肉や背中の筋肉の多くは腕を動かす為の筋肉です。
それらの筋肉を効率良く動かせれば、ドラムの演奏にも役立つでしょう。
そして体の各部をバラバラに動かすのですが、同じ目的に向かって連動して動きます。
つまり腕を動かすために腕だけでなく胸や肩甲骨、首などがバラバラに同時に動くのです。(表立っては見えない繊細な動きです。)
全体をバラバラに同時に動かす
この動きのイメージは小魚の群れのようだと思ってください。
それぞれバラバラの小魚がザッと一気に向きを変えるあのイメージです。
武術では体全体を使って突きを出したりします。
膝を抜くようにして重力から一瞬フリーになり、その瞬間からだ全体の動きを使って素早い突きを出すのです。
体重から一瞬フリーになる技術はドラムにも活用できます。
道具に振り回されない
ドラムスティックは振るもので、振り回されてはいけません。
ドラムスティックがまるで体の一部であるかのように感じましょう。
体の延長線上にスティックを感じて、効率良く体全体で動かすのです。
その他ドラム独特のポイント
足に体重を乗せてはいけない
ドラムは座って叩くものです。そして両足を自由に動かさなければいけませんから、足に体重を乗せてはいけません。上半身の体重は骨盤で支えるのです。
足に体重が乗ってしまうと、重くて思うように動かせません。
「今日は何だか足の動きが悪いな」という時ありませんか?それは椅子のセッティングや座り方が悪く、足に体の重さが乗ってしまっているからです。
足は「軽く軽く」のイメージです。踏み込む時は足自体の重さを利用したりしますが、腰から上の重さは足にはかけません。
試しに立った状態で右脚のみで立ってみてください。
その状態で右足を浮かせたり自由に動かせますか?難しいですよね。
逆に浮かせてる左脚は自由に動かせますよね。
この左脚の状態を椅子に座った時に両脚で再現しなければいけないのです。
まとめ
体の各部がバラバラに同じ目的に向かって調和して動くことが大切です。しかしこれは口で言って簡単にできることではありません。このことを頭の片隅に入れて日々反復練習をすることで徐々にできるようになっていきます。
一流のプレイヤーは動きも美しいですよね。今回は具体的なやり方には触れませんでしたが、あなたもそんなプレイヤーになれるよう体の動きに注意して演奏してみてください。
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