ハードロック・ドラムのパイオニアの一人
カーマイン・アピスは様々な工夫や挑戦で現在のハードロック・ドラムの土台を作りあげたパイオニアです。
長きに渡る多大な音楽への貢献は、アメリカ4都市で「カーマイン・アピスの日」が作られるほど偉大なものです。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第28位。
カーマイン・アピスのプロフィール
1946年12月15日生まれ
アメリカ ニューヨーク市ブルックリン出身
ジャンル:ハードロック
父はジャズサックス奏者で、バディ・リッチ、ジーン・クルーパらに憧れていたカーマインは、ジャズドラムを学びながらクラブなどのロックバンドでも演奏を始めます。
そして1966年、後に長きに渡り盟友となるベースのティム・ボガートらとサイケデリック・ヘヴィロックバンド「ヴァニラ・ファッジ」を結成。
翌年レコードデビューを果たすと、時代の潮流を掴んだスタイルでいきなりビルボード6位を達成します。
しかしその後は精力的に活動を続けるも、デビュー時を超えることが出来ない状態が続きます。
そこに、既にスターであったジェフ・ベックがカーマインとティムを勧誘。
バンド結成直前までいきますが、ベックが交通事故に遭い、新バンド結成は断念。
ティムと別のメンバーとで1970年「カクタス」を結成します。
カクタスでも精力的に活動しますが、1973年についにジェフ・ベックと合流。
「ベック・ボガート & アピス(B・B&A)」通称BBAを結成します。
しかし、カーマインとティムの「観客が楽しければ色々やればいい」というアメリカ人のフランクなノリと、ベックの「きちんとした音楽で楽しんでもらう」という真面目なイギリス人の気質はどうしても合わなかったようで、セカンドアルバム製作途中で自然消滅してしまいます。
あまりに個性の強い3人の融合は簡単ではなかったようです。
その後カーマインはロッド・スチュワート、バディ・リッチ、オジー・オズボーンなど数々のミュージシャンと共演。
また、ソロ活動やプロデュース業、教則本の発売など多岐にわたり精力的に活動しています。
2017年でデビュー50周年を迎え、70歳を超えてもなお現役のドラマーとして活躍しています。
カーマイン・アピスのプレイスタイル
エンターテイナーで、いちドラマーとしての視点に収まらないカーマイン・アピスは様々なアイデアを持ってドラムに変化をもたらしてきました。
マッチドグリップによるハードヒット、チャイナシンバルを裏返しにしての使用、スティックを回しながら叩くなど、現在のハードロックでは当たり前になったことを始めたロックドラムパイオニアの一人です。
また、グリップエンドにチップを付けた特殊なスティックを使用しています。
しかし、アイデアだけでなくジャズ由来の確かなテクニックや、巨体を生かしたパワフルな演奏は見たものを圧倒する迫力があります。
また、歌唱力にも優れており、リードボーカルやコーラスとしても曲に貢献することが出来ます。
プロデューサー気質でもあるので、演出にも随所にこだわりが見られます。
ドラムソロ中に煙で姿が見えなくなり、その間に音をテープと差し替えて自分は観客席のドアから登場するなど、とてもエンターテイナーな一面があります。
パワフルでエネルギッシュでテクニカルでアイデアマン。
カーマインがドラム史に与えた影響は計り知れません。
カーマイン・アピスの動画
ロングソロです。ジャズ仕込みのテクニックとロックのパワフルさが見事に融合してます。
オジー・オズボーンライブでの演奏。観客を沸かせます。
2012年のライブで、レッドツェッペリンのブラックドッグを演奏する様子です。
BBAのライブの様子です。画質は悪いですがコーラスを聞くことが出来ます。3人のすごい個性のぶつかり合いです。
ヴァニラ・ファッジです。今見るとけっこう異質な印象です。
ドラムレッスン動画。うますぎます。
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