エルヴィス・プレスリーのドラマーを務めたクールな男
D. J. フォンタナは14年間にわたりエルヴィス・プレスリーのドラマーを務めた人物です。
彼が演奏するロックンロールドラムサウンドはエルヴィスの成功に大きく貢献しました。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第13位。
D. J. フォンタナのプロフィール
1931年5月15日生まれ
アメリカ ルイジアナ州シュリーブポート出身
ジャンル:ロックンロール
本名ドミニク・ジョセフ・フォンタナ(Dominic Joseph Fontana)。通称「DJ」。
ラジオ番組「ルイジアナ・ヘイライド」の専属ドラマーだったDJは、1954年にエルヴィス・プレスリーのバックバンドで演奏するようになります。
エルヴィスは当初「ザ・ブルームーン・ボーイズ」というバンド形態で活動しており、エルヴィス・プレスリー(ギター)、スコッティ・ムーア(ギター)、ビル・ブラック(ベース)の中に後からDJが加入することになります。
このバンドでご存知「監獄ロック」や「ハウンドッグ」などを演奏し、DJはヒット曲を影から支えます。
バンドは1958年に解散しますが、DJはその後もエルヴィスのドラマーを務めます。
シンプルなD. J. フォンタナのドラミングは派手で自由なエルヴィスとの相性が抜群でした。
また、ギターのスコッティ・ムーアとも活動しており、2002年にはポール・マッカートニーが参加して「ザッツ・オール・ライト」のレコーディンングも行うなど、長きに渡り様々なミュージシャンと音楽活動を続けています。
2009年にはロックの殿堂の「サイドマン部門」で殿堂入りを果たしています。
D. J. フォンタナのプレイスタイル
D. J. フォンタナは非常にクールにシンプルなロックンロールドラムを刻みます。
エルヴィス達のサウンドを聞いて、「自分は余計なことをする必要はない」と感じたようです。
DJが安定したリズムを叩くことで、逆にエルヴィスは自由に歌うことが出来ました。
また、シンプルでクールながらもエネルギッシュな演奏でバンド全体をプッシュしていきます。
ビッグバンドからの影響も受けており、バディ・リッチのようなハイテクニカルドラマーにはコンプレックスも感じていたようです。
しかし、逆に自分にできることに徹したドラミングは、間違いなくエルヴィスの大ブレイクに大きな貢献を果たしました。
また、表情が全く変わらないのも見ていて印象に残ります。
インタビューでも笑うことはほとんどなく、ものすごい歓声の中でも平常心でプレイ出来たのは、冷静な性格のおかげでしょう。
D. J. フォンタナの動画
貴重な当時の演奏映像。この頃はバックバンドのないがしろ感がひどいので、こうやって映像が観れるのはありがたいです。しかし、ギターソロ時にリズムギターのエルヴィスがアップになるのはひどすぎますね(笑)。
ハウンドッグの演奏映像。ドラムはエルヴィスにもろ被りです・・・。
監獄ロックの音源です。乾いたスネアサウンドが非常に効いています。
近年の演奏映像。パワフルな演奏ですが、びっくりするほど無表情です。
監獄ロックのレッスン動画のピックアップです。少し柔らかい表情ですね。
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