ロックドラマー

アール・パーマー〜Earl Palmer〜

⬇︎写真代わりです。

バックビートスネアのパイオニア

アール・パーマーは数多くのレコーディンングに参加したセッションドラマーで、いわゆるバックビート(2拍4拍のスネア)を広めた人物です。
いまや当たり前となっているバックビートも、アール・パーマーがいなければ無かったかもしれません。
「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大な100人のドラマー」第25位

アール・パーマーのプロフィール

1924年10月25日〜2008年9月19日(満83歳没)
アメリカ ルイジアナ州 ニューオーリンズ出身
ジャンル:ロック、R&B、ジャズ、

ショー・ビジネスを営んでいた一家に生まれたパーマーは5歳でタップダンスを始め、12歳の頃にはショーで主役を務めるほどに。
第二次世界大戦での兵役を終えた後、ニューオーリンズの音楽学校でピアノとパーカッションを学びます。

1940年代後半、セッションドラマーとして活動するようになったパーマーは、ファッツ・ドミノ『The Fat Man』の録音に参加します。
パーマーはこの『The Fat Man』で音楽史上初めてレコードで明確なバックビートを打ち出します
ディキシーランドミュージックで強調されるアフタービートを応用した演奏は、ロックンロールの重要なリズム要素となります。

パーマーはその後、リトル・リチャード、サム・クックなど多くのミュージシャンのレコーディングに参加します。
また、拠点をニューオーリンズからハリウッドに移し、フランク・シナトラ、フィル・スペクター、レイ・チャールズ、ビーチ・ボーイズ、ニール・ヤングなど生涯で録音した曲数は数万とも言われています。

アール・パーマーがもたらしたバック・ビートはロックンロールだけでなく、ボサノバを除くほとんどのポピュラーミュージックのスタイルとなりました。
そして2000年には、その年に創設されたロックの殿堂の「サイドマン部門」でメンバー入りを果たしています。
その後もジャズなど演奏活動を続けていましたが、2008年にカリフォルニア州バニングにて亡くなりました。83歳でした。

アール・パーマーのプレイスタイル

アール・パーマーというと、「ミスター・バックビート」というイメージですが、もちろんそれだけではありません。
多くのロックンロールミュージシャンに重宝された、「ノリ」がパーマーのドラムにはあります。

バンド全体をドライブさせ、ロックンロールの疾走感を作り出すノリは意外に難しいものです。
しかもそれを一から作りあげていったということを考えれば、驚異的なドラミングセンスを持っていたと言えます。

また、フレージングも秀逸で、現在のロックドラムの礎を築いたジョン・ボーナムにも多大な影響を与えました。
(追記:アール・パーマーの演奏でジョン・ボーナムに影響を与えたと言われるリトル・リチャードの「Keep a Knockin'」のドラムはチャールズ・コナーが演奏したものだという指摘をいただきました。日本ではアール・パーマーが演奏したものだという認識がある程度浸透していますが、ウィキペディア英語版でチャールズ・コナーの演奏と記載されておりました。失礼いたしました。)
シンプルながらも印象的なフレーズを作り上げたアール・パーマーの功績は計り知れません。

アール・パーマーの動画


アール・パーマーが叩いた曲の詰め合わせです。いかに偉大なドラマーかが分かります。


近年のスタジオでの演奏の様子です。安定したリズムです。


ジャズでの見事なドラムソロが見られます。


歴史的な演奏となった「The Fat Man 」です。ここからバックビートが始まりました。


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