ドラムを速く叩くために必要なこと
ドラムを叩く上でスピードの壁にぶつかったことってあるでしょうか。
おそらく皆さんあるでしょう。もちろん私もあります。
スピードの壁というのは「何にでも」存在します。
神経科学の面から見ると、スピードが速くなればなるほど脳神経に負荷がかかります。
「これ以上速く叩くためにはどうしたらいいんだろう」その基本的なコツを解説します。
速く叩くための3つのコツ
ドラムを速く叩くには3つの基本的なコツがあります。
・速く叩こうと意識しない
・しなやかな筋肉を育てる
の3つです。
速く動かすのではなく細かく動かす
ドラムを速く叩くためには、速く動かすのではなく動作を細かくすればよいのです。
今まで10の幅で動かしていたモーションを同じスピードで5の幅で動かすことが出来れば、およそ2倍の速さで叩けるようになるはずです。
よくシングルストロークで速くなればなるほど、力を入れてパワーで大きく速く動かそうとする人を見かけます。
この方法でも一時的には速く動かせるかもしれません。
しかし、ドラムは100m競争ではありません。無酸素運動でドラムを叩いたらあっという間に、疲れてしまいます。
シングルストロークでは最低1分は叩き続けれないと、本当の意味で「叩ける」とは言えません。
力で速くするのではなく、逆に力を抜いて細かく叩くようにするのです。
つまりパワーでなくテクニックで速く叩くようにするのです。
速くなればなるほど、力を抜いて細かい動きで叩くのです。
音量が小さくなることを心配されるかもしれませんが、速く叩く時はむしろ小さな音量のほうがよいです。
それは音と音の間隔が近いからです。
音が大きくてスピードも速いと音が飽和してしまい、うるさいだけです。
速い時は小さな音で揃った音量のほうが良く聞こえますし迫力もあります。
軽やかに細かく叩くようにしてみましょう。
速く叩こうとしない
これは意識の問題です。
ドラムはテンポに対して正確に叩くべきですので、「速く叩く」という意識はあまり良くありません。
速く叩こうとすると、テンポに対しても速くなってしまう可能性があります。
「テンポに対して正確に叩く」ことが大切です。
つまり速いスピードの時は「速いテンポに対して正確に叩く」という意識で叩いてください。
また、速く叩こうと意識しすぎると体が緊張して固くなってしまいます。
落ち着いて叩くことが大切です。
速いスピードで叩けるようになった時に良く思う事は「思ったより速くなかったな」ということです。
「速く叩かなかれば」という過度な思い込みが、間違ったイメージを作り上げてしまっているからです。
速さを過度に恐れる必要はありません。
ゆっくりのテンポでやることを、速くするだけのことです。
しかし、速いテンポで叩くことは、当然「難易度の高いこと」でもあります。
速いスピードの演奏をする時は、脳に負荷がよりかかります。
脳に負荷がかかると、余裕がなくなりミスが出やすくなるのです。
それを防ぐには、「演奏できるゆっくりのテンポから始めて、徐々に速くしていくこと」が大切です。
自分に余裕があるテンポなら、脳の負荷は少なくなります。
「脳に余裕がある」状態です。
そこで、少しテンポを上げると脳に負荷がかかり始めます。
ですが、少しテンポを上げたくらいなら大きな負荷ではありません。
脳がいっぱいいっぱいにならない程度のテンポで練習を重ねます。
(いっぱいいっぱいな状態では、脳が混乱するだけです。)
すると、脳は徐々にそのテンポでも負荷が少なくなり余裕が出てくるのです。
そうなると、余裕が出た分また少しテンポを上げることが出来ます。
↓
脳がその練習になれると負荷なくやれるようになり、余裕が出てくる。
↓
少しレベルを上げて、また脳に負荷をかける。
ということを繰り返すのです。
これは時間のかかることですので、慌ててやらないことです。
時間をかけて努力した人が最も成果を出すのは、このためです。
あまりにレベルの高いことをいきなりやっても、脳は混乱するだけですので成果には繋がりません。
しなやかな筋肉を育てる
先ほどもお話ししましたが、ドラムは100m競争ではありません。
ドラムで必要な筋肉は爆発的なパワーのある筋肉ではなく、「自分の体を自分で思った通りに動かすための筋肉」です。
それには細かい動きにも対応できるしなやかな筋肉が必要です。
しなやかな筋肉には「柔軟性」「軽やかさ」が必要です。
そのためにはリラックスして脱力することです。
脱力とは全く力が入っていないことではなく、「余計な力が入っていない」状態をいいます。
普段の練習では筋肉を追い込むことより、体をコントロールすることを意識してください。
そして、何日も時間をかけて少しづつ鍛える意識を持ってください。
しっかりと呼吸をして、有酸素運動で筋肉全体のコントロール力を育てていってください。
けして慌てて鍛えないでください。ドラムの動きというのは慣れてないと、手足の関節に負担がかかりがちです。
関節は一度痛めてしまうと、筋肉と違い回復に時間がかかります。
関節の痛みを感じたら勇気を持ってすぐに練習を中止してください。
無理にやっても後で後悔することになります。
しなやかな筋肉を鍛えることで「最低限の力で最大限の効果を発揮できる」ようになります。
余計な力や動きを削ぎ落とすつもりでやってみてください。
ここでは詳しく触れませんが、筋肉の伸張反射を利用したり拮抗筋の同時収縮を起こさないことも大切です。
まとめ
ドラムを速く叩くためには、決して力で何とかしようとしてはいけません。力が入って体が硬くなってしまっても良いことはありません。リラックスして叩くために
・速く動かすではなく細かく動かす
・速く叩こうと意識しない
・しなやかな筋肉を育てる
ことを意識すると良いでしょう。
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