フュージョン系ドラマー

ビリー・コブハム〜Billy Cobham〜

圧倒的手数の千手観音美音ドラマー

ビリー・コブハム(Billy Cobham)は圧倒的技術手数の多さでジャズ、フュージョン、ロックと活躍するスーパードラマーです。アグレシッブな演奏から繊細な演奏まで幅の広いドラミングも魅力の一つです。

ビリー・コブハムのプロフィール

1944年5月16日生まれ
パナマ出身
ジャンル:ジャズ、フュージョン、ロック

ビリー・コブハムはパナマ生まれですが3歳の時に家族とアメリカニューヨーク州にやってきます。そして24歳の時にホレス・シルヴァー(ピアノ)のグループに参加します。そしてジョージ・ベンソンやマイルス・デイビスなどの大物のアルバムにも参加していきます。そして1971年にはジョン・マクラフリンらとマハヴィシュヌ・オーケストラを結成し、かなり攻撃的な演奏を披露します。

その後も沢山のミュージシャンと共演、サンタナ、ジョン・スコフィールド、スタンリー・クラーク、ジョージ・デューク、ロン・カーター等々数多くの人との仕事を精力的にこなします。自らのリーダー作品も多く、特に「スペクトラム」では非常に高い評価を受け、今日のミュージシャンにも大きな影響を与えました。とにかく手数が多く攻撃的なドラミングで圧倒されます。リーダー作品は30ほどにもなり、ドラマーとしてだけでなく一音楽家としても非常に影響力の大きい人物です。

ビリー・コブハムのプレイスタイル

とにかく手数が多く、攻撃的、そしてパワフル!と、よく形容されますが、実はそれだけではありません。一つ一つの音がとても綺麗なのです。やはり若い時は手数が非常に多いので、それに圧倒されて音色の美しさが分かりにくいですが、歳を重ねてからのシンプルな演奏を聴くと良く分かります。スネアの音が非常に綺麗に鳴っていて、とても気持ちがいいですね。また右手をフレンチグリップにしてスネアを叩いているのですが(左利きなので右手でスネアを叩く)、フレンチグリップであれだけパワフルにスネアを鳴らせるということは、相当親指の使い方が上手いんだと思います。通常、強く叩く時はフレンチグリップだとスティックをリバウンドさせにくいのですが、やはり技術レベルがとんでもないですね。スネアが完全に鳴り切ってます。

手数が多いということは、一つ一つの音が綺麗に鳴っていなければ、無駄な倍音が響いて音が飽和状態になってしまいます。ビリー・コブハムのパワフルな演奏の影には確かな基礎技術が隠れています。それゆえに、非常に手数が多い時の演奏を聞いても全くうるさくありませんね。余計な響きがなく「パンッ」と完結に音がまとまってます。スティックと打面が触れる時間が非常に短く、無駄がありません。驚異の美音で千手観音のように叩くビリー・コブハムの動画をぜひご覧ください。

ビリー・コブハムの動画

1974年時自身のリーダーバンドでのパフォーマンス。圧倒的パワーと手数と攻撃性に圧倒される。

2009年のドラムソロ。スティック4本持ちから始まり、最後は素手での見事な音色の演奏で締めてくれる。

ドラムレッスン動画だが、最初のデモ演奏がすごい。簡単なことをやっているが、とてつもなくかっこいい。

名曲「Stratus」。うっとりするような気持ちいいグルーブ感。

ジャズトリオでのソロ。1つのジャンルには収まりきらないスケール感。


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