テイクファイブのクールドラマー
ジョー・モレロ(Joseph Albert "Joe" Morello )はジャズの名曲「テイクファイブ」のデイブ・ブルーベック・カルテットのドラマーとして有名な人物です。また、クールでハイレベルな演奏で人気を博しました。
ジョー・モレロのプロフィール
1928年7月17日〜2011年3月12日(満82歳没)
米国マサチューセッツ州スプリングフィールド出身
ジャンル:ジャズ
ジョー・モレロは幼い頃にバイオリンを習っていたようですが、10代のころにドラムを始めます。そしてドラムの大定番教則本である「スティック・コントロール」という本を出したジョージ・ローレンス・ストーンに師事します。彼はキラーストーン奏法の生みの親です。さらに、ローレンスと共にグラッドストーン奏法を生み出したビリー・グラッドストーンに師事します。またモーラー奏法で有名なサンフォード・モーラーにも師事し、圧倒的なスティックコントロールを身につけます。また、弱視であるために若いころは黒縁メガネ。後にサングラスがトレードマークとなります。(少し胡散臭いんですが、演奏が半端じゃないので逆に格好いいです。)
そしてデイブ・ブルーベック・カルテットで人気を博します。4分の5拍子のテイクファイブや、9分の8拍子のトルコ風ブルーロンドなどの曲をクールに演奏する姿は圧巻です。その後はリーダーアルバム「イッツ・アバウト・タイム」を発表。また、自らの技術をまとめた「マスター・スタディーズ」という教則本を出したり、「ドラムメソッド」という教則DVDも出しています。(当時はビデオ)。このビデオの中ではすっかり年老いたジョー・モレロが何食わぬ顔して(サングラスで表情はよく見えませんが・・・)超絶テクニックを見せてくれます。
ジョー・モレロのプレイスタイル
なんと言っても圧倒的なスティックワークが特徴です。非常に音が綺麗でフレーズが格好よく聞こえます。グラッドストーン奏法の発案者2人とモーラー奏法のサンフォード・モーラーに師事してるなんて、今のドラムキッズからしたら羨ましい限りの話です。もちろん2つの奏法を上手くミックスして超絶的な演奏を聴かせてくれます。またもう一つの特徴がクールな演奏というところです。この時代のドラマーはけっこう派手で熱い演奏の人が有名ですが、ジョー・モレロは逆にクールさで魅せてくれます。かなり凄いことを平然とやってくれるところが格好いいですね。
変拍子もお手のもので、なんと言ってもテイクファイブのソロは5拍子のお手本のような演奏です。5拍子のロングソロをバッキングなしで演奏することは言うまでもなく難しいです。リズムは取れてもドラムを歌わせることが難しいのですが、映像をみると難なくやっているように見えます。このソロをコピーしたドラマーは多いのではないでしょうか。長きに渡りジャズドラマーとして活躍した彼は間違いなくレジェンドドラマーの一人です。
ジョー・モレロの動画
1995年67歳ごろの時のテレビショー。年齢を感じさせないテクニック。
1964年36歳ごろのテイクファイブ。5拍子でこれだけクールなソロは秀逸です。
7分ほどのロングソロ。ルーディメンツを多用した演奏が聞ける。
これもテイクファイブのソロ。圧倒的なスティックコントロール。
トルコ風ブルーロンドの演奏。複雑な演奏をクールに響かせる。
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